ここから本文です

荒れる女子、ムグルッサとストーサーが抜け出して準決勝に進出 [全仏テニス]

THE TENNIS DAILY 6月2日(木)16時0分配信

 フランス・パリで開催されている全仏オープン(5月22日~6月5日)の11日目。

 女子は大荒れだ。準々決勝の4カードにはすべてノーシードが残ったが、この日行われたドローのボトムハーフの2試合はいずれもシードがノーシードを退けた。第21シードのサマンサ・ストーサー(オーストラリア)が世界ランク104位のツベタナ・ピロンコバ(ブルガリア)に6-4 7-6(6)で、第4シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は世界ランク108位のシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)に7-5 6-3でストレート勝利を収めた。

ムグルッサが快進撃のロジャーズを倒して初の準決勝進出 [全仏オープン]

 なお、12日目の6月2日に行われるドローのトップハーフの準々決勝では、第1シードのセレナ・ウィリアムズ(アメリカ)と世界ランク60位のユリア・プティンセバ(カザフスタン)、第8シードのティメア・バシンスキー(スイス)と世界ランク58位のキキ・バーテンズ(オランダ)が対戦する。

     ◇   ◇   ◇

 この数年、メディアが女子テニスを盛り上げるときにしてきたことは、セレナとのライバル関係を煽るか、セレナ時代からの世代交代を予言するか、このどちらかでしかなかった。しかし、そこに名前の挙がった選手は誰もその役目をまっとうできず、自滅していくありさま。女子テニスは目玉不足だった。

 その問題を深刻化させたのが、3月に発覚したマリア・シャラポワ(ロシア)のドーピング違反による出場停止であり、セレナとのライバル扱いがもっともしっくりきた元女王の不在により、ほかのライバル候補、未来の女王候補が束になって奮起しなくてはならなかったのが今大会だ。

 しかし実際は、インディアンウェルズでセレナを破って完全復活を遂げたはずのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、全豪オープンの決勝でセレナを破ったアンジェリック・ケルバー(ドイツ)、ウィンブルドンV2のペトラ・クビトバ(チェコ)といったあたりが3回戦までに途中棄権も含めて姿を消した。

 一昨年のウィンブルドンで準優勝したユージェニー・ブシャール(カナダ)も今、期待の路線から外れてしまっているし、同じ年の全仏で準優勝したあともなんとか上位をキープしているシモナ・ハレプ(ルーマニア)と、第2シードのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)も4回戦で敗れた。雨続きの悪コンディションも数々の番狂わせを手伝っただろう。

 そんな中でボトムハーフから準決勝に勝ち進んできたのが、ムグルッサとストーサーだ。22歳のムグルッサはランキング的にも十分予想できた活躍だが、32歳のストーサーは意外だった。

 2011年の全米オープン優勝のストーサーがグランドスラムのベスト4に入るのは2012年の全仏オープン以来。精神面の弱さがよく指摘されるストーサーだが、ピロンコバとの準々決勝は何度もリードを奪われながら崩れなかった。特に第2セットのタイブレークは1-5からの逆転劇。徹底して練習したというバックハンドのスライスが大事なところで効いた。
「私にはいろいろな武器がある。それを勝つためにどう使うかがわかってきた」と繰り返し言っているのが印象的だ。

 ストーサーはセレナのライバルという存在にまではならなかったが、2011年の全米決勝で破ったのは本命だったセレナであり、グランドスラムの決勝でセレナを破った選手は現役では姉のビーナスのほかに3人しかいない(シャラポワ、ストーサー、ケルバー)。ムグルッサは昨年のウィンブルドン決勝でセレナに敗れたが、体格といい、テニスといい、スケールの大きな選手で次の女王候補と呼び声高い。

 荒れ模様の展開にどうなることかと思われたが、この2人のどちらかが今の好調を維持して決勝に進むなら、かなり見応えのあるものになりそうだ。

 セレナはまだ準々決勝、準決勝と残っているが、次の対戦相手がプティンセバ、準決勝の相手がバシンスキーかバーテンズのどちらかとなれば、セレナの決勝進出を書かないシナリオのほうが難しいだろう。そうはいっても、何が起こるかは誰にもわからないが…。

(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)

最終更新:6月2日(木)16時0分

THE TENNIS DAILY

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。