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県産材活用へ計画策定を 自民・条例原案 9月県議会に提出

北日本新聞 6月2日(木)23時15分配信

 自民党県議会議員会が制定を目指している「県産材利用促進条例」の原案がまとまった。県に対し、県産材の供給や利用に関する具体的な目標を掲げた基本計画の策定と、造林から建築までの関係団体でつくる協議会の設置を求めているのが特色。木材利用と森林整備の好循環を促し、林業の成長産業化につなげる。パブリックコメントを経て、最終案を県議会9月定例会に提出する。(政治部・浜田泰輔)

 戦後の高度経済成長期に植えられた県内のスギ人工林は、利用に適した時期を迎えているにもかかわらず、需要の減少による価格低迷などを背景に生産活動が停滞している。条例の制定は「使わない」「切らない」「再植林が進まない」-という現状の悪循環を好転させるのが狙いだ。

 自民党の県議9人でつくるプロジェクトチーム(宮本光明座長)は昨年9月から、林業の現場を訪ねて実態を調べたり、関係団体から課題を聴き取ったりして条例で定める内容を検討してきた。

 「原木の供給が不安定で、需要に対応できない」(県木材組合連合会)「木材を扱える大工が減っている」(県優良住宅協会)といった意見が多く、条例案には木材流通の円滑化や人材の育成に関する規定も盛り込んだ。

 同様の条例は、徳島、茨城、秋田の3県が先駆けて制定しているが、宮本座長は「木材利用に特化した基本計画の策定や協議会の設置を定めた点で、より踏み込んだ内容になった」と話す。

 ただ、県には県産材の供給体制の整備などを定めた森林・林業振興計画が既にあり、条例案が求める基本計画と整合を図る必要がある。

 県産材の生産量は、1980年度の約10万立方メートルをピークに減少し、2000年度には約4万立方メートルと半分以下に落ち込んだ。近年は、公共建築物への利用の増加や間伐材を燃料とする木質バイオマス発電施設の稼働によって生産量は回復基調にあるものの、県が21年度までの目標とする12万立方メートルにはまだ遠い。

 06年に制定された森づくり条例が県民参加型の森林整備を大きく前進させた経過から、県森林政策課は「新たな条例によって、木を使うことが森づくりにも役立つという意識が県民に広がればいい」と期待している。

北日本新聞社

最終更新:6月2日(木)23時15分

北日本新聞