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観客を巻き込むサスペンス! ジョディ・フォスター監督が語る『マネーモンスター』

ぴあ映画生活 6月3日(金)12時12分配信

ジョディ・フォスター監督の新作『マネーモンスター』が間もなく公開になる。フォスター監督はこれまで良質な人間ドラマを手がけてきたが、新作では観客を巻き込むスピード感あるサスペンスを描くため、何年もかけて脚本を練り、入念に計画を立てて撮影に臨んだという。

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本作は、リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)が司会を、パティ(ジュリア・ロバーツ)がディレクターを務める財テク情報番組“マネーモンスター”の生放送中のスタジオに、銃を持った犯人が乱入し、番組をジャックする衝撃的な展開で幕をあける。犯人は株の情報操作が行われた結果、全財産を失ったと訴え、リーは人質にとられる。その模様はリアルタイムで全世界に生中継され、番組が進んでいくたびに株価暴落の裏側に隠された衝撃の事実が明らかになっていく。

監督が「ペースのはやいスリラー映画でありながら、観客の参加を求める作品にもしたかった」と語る通り、本作ではリアルタイムで物語が進行し、観客は番組の生中継を目撃しているような緊張感に包まれる。フォスター監督は、何年もかけて脚本家とプロットを練り、生放送中のスタジオで起こるドラマ、それを見ることしかできないスタジオの調整室の人々、そして放送されている映像を見ている人物のドラマを巧みに組み合わせ、そこに放送を“見ていない”キャラクターを登場させることで緊迫感を高めていった。「私がスピルバーグで製作費が1億ドルあれば、撮るだけ撮って編集の段階で改めて考えられたかもしれないですけど、この映画ではそれはできなかったので、すべてを脚本の段階で計画するしかなかったのです」

映画では、物語を語る視点と生放送中の映像が交互に登場し、臨場感を高めていくが、これらもすべて監督が事前に計画を立てたという。「調整室にいるパティが、モニターに映っているリーの姿を見ながら、無線で彼に話しかけるシーンでは、まず最初にモニターに映っているリーの映像を撮影するのですが、その際にはパティが話しかける部分の“間”を計算して空けるようにしなければなりません。どの情報をどこで出すのか? どのように出すのか? すべてを撮影前に計画を立てました」

銃で脅され、人質になってしまったスタジオ内のリーと、調整室にいるディレクターのパティは実際に会うことはなく、モニター越しに姿を見て、パティが一方的にリーのイヤーピースに向けて無線で話しかけることしかできない。「ふたりは同じ部屋にいることはなくて、イヤーピースとカメラを通じたヴァーチャルなコミュニケーションですが、私たちが生きる現代とどこか似ていると思いませんか? 人との親密さがデバイスを通じて育まれるという設定が興味深いと思ったのです。もちろん、出会わずして物語を語るわけですから、力のある俳優が必要でした。ジョージとジュリアは実生活でも友人関係にあるからかもしれませんが、私にもよくわからない“化学反応”のようなものがあるんです。それがこの映画では活かされたと思います」

リアルタイムで進行していくサスペンス、生放送を通じて世界各地に移る視点、事件を通じてキャラクターの内面が変化していく過程……フォスターは監督4作目にして持てる力のすべてを投じたように見えるが、3歳で子役を始めた彼女は、6歳の時から監督になる準備を重ねてきたと笑みを見せる。「私は小さい時からずっと映画を監督したいと思ってきました。カメラ、音響や音楽の使い方、編集技術や色彩の選択について興味を持っていましたし、それらは物語をよりエモーショナルで知的に語るための“ツール”なんだと思っていました。私がいまもワクワクするのは、脚本を読んで心が動かされたときに、それをどうやってスクリーンに描いて、人に届けることができるのかと考えることです」

『マネーモンスター』
6月10日(金) TOHOシネマズ六本木ほか全国ロードショー

最終更新:6月3日(金)12時12分

ぴあ映画生活

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。