ここから本文です

五輪目前のリオ、貧困地区外での治安悪化に懸念

AFPBB News 6月3日(金)8時5分配信

(c)AFPBB News

【6月3日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の富裕層が住む地区の集合住宅入り口で、ハザードランプを点滅させて、セキュリティーゲートが開くの待っていた一台の高級自動車。その時、ドライバーの目の前に突然何かが現れた──銃口だ。

 犯行グループは3人。1人が運転手側のドアに銃を突きつけている間に残りの2人がドアをこじ開けて金品を強奪し、直後に現場から逃走した。防犯カメラの映像には、20秒ほどの犯行の様子が捉えられていた。

 間もなく五輪が開催されるリオだが、これまで比較的安全とされていた地域でも犯罪の発生率が上昇している。

 2002年公開の映画『シティ・オブ・ゴッド(City of God)』で、リオのスラム街「ファベーラ」における暴力については世界的に知られるようになった。

 リオ五輪開催中、参加選手1万500人や予想される50万人の観光客たちは、ファベーラには近づかないように注意するかもしれないが、これまで安全と考えられてきた高級住宅街でも、犯罪リスクに対する懸念は大きくなっている。

 前出の高級車を狙った強盗事件は、観光地イパネマビーチ(Ipanema Beach)の近くにある高級集合住宅「ダイヤモンド・タワー」入り口で起きたものだ。この1か月前にも同じ通りで同様の事件があったが、その時は狙われた車両にリオデジャネイロ州知事代行の娘が乗っていたため、注目度も大きかった。

 高級住宅街に暮らす人々にとって、暴力はもはや人ごとではなくなっている。五輪期間中は、警察官と兵士約8万5000人が市内に配備される予定だが、彼らの存在が、この危険な町の安全を守るうえで、どれだけ効果的なのかは分からないと言われている。この数字が、2012年ロンドン五輪の時の約2倍であるにもかかわらずだ。

 ファベーラでは、警察官と麻薬密売人の銃撃戦が頻繁に起きる。こうした衝突の影響は、数ブロック離れた、選手や観光客が集まる静かな場所にも及ぶ恐れがある。流れ弾が届く距離にあるためだ。先日も、選手村の近くやビーチバレーなどの会場となるコパカバーナ(Copacabana)の近くで銃撃戦が起きた。先週末にイパネマ近くのファベーラ、ロッシーニャ(Rocinha)地区で起きた銃撃戦は約1時間続いた。

■リバウド氏も「ここに来たら命が危ない」

 地元非政府組織(NGO)のスポーツを通じた活動を支援するためにファベーラを訪れるチームもあるだろう。ただし、そうした訪問は厳重に警備されることが考えられる。一方で、オーストラリアなどは、自国の選手がファベーラを訪れることを禁じた。

 先月には、スペインのセーリング五輪代表チームのメンバーが観光客に人気のサンタ・テレーザ(Santa Teresa)地区で、5人の若者に銃を突きつけられる強盗事件があった。2月にも、アルゼンチン人の観光客らがコパカバーナ・ビーチで強盗事件に巻き込まれ殺害されている。

「自分の国にいなさい。ここに来たら命が危ない」──このように訪問の自粛を強く呼びかけたのはサッカーの元ブラジル代表選手、リバウド(Rivaldo)氏だ。これほど強く注意を促す人はそう多くないが、伝えようとしている恐怖は現実のものだ。

 ブラジルは長年、世界で最も危険な国のひとつとして知られてきたが、近年の景気低迷による財政難が、最悪のタイミングで警備体制にも影響を及ぼしているようだ。

 地元メディアのグロボ(Globo)の調査によると、リオデジャネイロ州では、巡回区域を回ることできる警察官の数が全体の約半数にとどまっているとされる。ファベーラに配属されたことや負傷や病気で休職していることなどが、その理由だ。

 リオ州の財政状況は非常に厳しく、残業代やパトカーの燃料費を捻出することもままならないという。

 そうした厳しい状況を反映するかのように、警察官が殺害されるケースも増えている。日刊紙エスタド(Estadao)によると、同州では今年、殺害された警察官の数が5月半ばの時点で39人に上っているという。うち、3分の2は勤務時間外だった。昨年は、1年間で85人の警察官が殺害されている。(c)AFPBB News

最終更新:6月3日(金)17時7分

AFPBB News

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。