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満島ひかりから目が離せない! いよいよ後半『トットてれび』

dmenu映画 6月3日(金)20時0分配信

だいぶフライングしてしまうが、2016年を代表する作品、だと思う。

現在放送中のNHK土曜ドラマ、黒柳徹子の自伝的エッセイ「トットひとり」「トットチャンネル」をもとにその半生を描く『トットてれび』のことだ。全7回のシリーズで、すでに第4回まで進んでおり、主演の満島ひかりはもう黒柳徹子にしか見えない! のだが、それだけではなく、毎回必ずそこに“満島ひかりテイスト”をふりかけ、テレビの(そして、徹子さんの)歩んできた歴史に対し、上書きをしているのがスゴイのである。

それは、ドラマのエンディングを飾る“名曲レヴュー”の場面にとりわけ顕著だ。第1回では笠置シヅ子の「買い物ブギ」、第2回は坂本九の「上を向いて歩こう」、第3回はハナ肇とクレイジー・キャッツの「スーダラ節」ときて、第4回はライザ・ミネリの「ニューヨーク・ニューヨーク」。もちろんすべてに(黒柳徹子として)満島ひかりは参加し、その回を締め括るパフォーマンスを見せているのであるが、特に第4回がスゴかった。小学生時代、満島ひかりとともにダンスボーカルユニット・Folderとして活動した三浦大知が喜劇王チャップリンとして登場。およそ16年ぶりに共演を果たし、歌って踊って、“満島ひかり史”も更新してみせた。

ドラマの展開的にもこの第4回は、ターニングポイントであった。それまでの回は、「テレビの草創期」と「黒柳徹子の青春」の2つがクロスするところに主眼を置いていたが、第5回以降はいよいよ両者が次の段階へと入ったことを示す。すなわち、東京オリンピックが開催された1964年、それまでは疾風怒濤の生放送でオンエアされたドラマはもはや、事前に収録するスタイルが主流となり、画面のカラー化にも拍車がかかった。一方、テレビの申し子・黒柳徹子も31歳を数え、内面の変革期を迎え、“自分らしさ”を模索し始める。そうして1971年、38歳のときに「一度ゆっくり休みたい」とニューヨークへ単身留学する。

つまり、第4回で満島ひかりは、31歳から38歳までを一気に駆け抜けるのだ。なんと1話30分のドラマで! お膳立てをしたスタッフもチャレンジャーではあるが、これをやってのけた彼女も称賛に値する。“黒柳徹子”というある種偶像化された存在を、ひとりの迷える女優、ひとりの悩める女性として現前させ、覚醒した末に日本へと帰るまでを演じ切った。これが先ほど記した「ニューヨーク・ニューヨーク」につながるのだが、その演技にはノスタルジアを超えた“人生のリアリティ”が宿っていた。上手い、というよりも、圧巻。テレビと黒柳徹子の希有な歴史を生きて、満島ひかりはさらに大きくなった!

さあ、残りはあと3回だ。この第4回を挟み、「青春編」から「友情編」にモードを変え、向田邦子、森繁久彌、渥美清との珠玉のエピソードがライフストーリーの中心を担う。そして黒柳徹子となった満島ひかりは、もっともっと歳を重ねていくわけだが、果たしてどう演じるのか。と同時に「30分ドラマ」の可能性をどこまで拡げられるのか。最後まで(楽しみながら)見届けたい。

文=轟夕起夫/AvantiPress

最終更新:6月3日(金)23時34分

dmenu映画

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。