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アップルも進出する「神奈川の街」にパナソニックのBツーB戦略が見えてくる

ニュースイッチ 6月3日(金)8時20分配信

先進的なエネルギーインフラ構築へ

  パナソニックが主導する「ツナシマサスティナブル・スマートタウン(ツナシマSST)」の開発が横浜市港北区で進んでいる。2015年に計画が明らかになった当初は、米アップルの進出が話題となった。パナソニックが16年3月に全体像を公表すると、先進的なエネルギーインフラも見えてきた。

 ツナシマSSTは18年に開業すると、4万平方メートル近い敷地にアップルの技術開発センター、集合住宅、商業施設、学生寮が立ち並ぶ。中心部には東京ガスが“街のエネルギー供給基地”となる出力370キロワットのガス発電機2台を設置、電力と熱を各建物に送る。不足する電力も東ガスが電力系統から調達するが、街としてエネルギーをできるだけ共有し、全体の効率を高める。

 パナソニックの宮原智彦CRE事業推進部長は「どういった場所で、どういった生活になるのかを考え、効率的なインフラを選択した」と話す。

 JXエネルギーが水素ステーションも設置する。パナソニックが水素関連事業に取り組む姿勢を示そうと導入を決めており、学生寮の燃料電池への水素供給を検討している。

<メーカーらしいイノベーションができている>

 パナソニックのスマートコミュニティー(次世代社会インフラ)は、神奈川県藤沢市の「フジサワサスティナブル・スマートタウン(フジサワSST)」に続いて2カ所目。都市型のツナシマSSTに対し、郊外型となるフジサワSSTでは太陽光発電システム搭載の一戸建て住宅600棟、集合住宅、商業施設、福祉施設の建設が進んでいる。

 フジサワSST、ツナシマSSTとも建設地はパナソニックの工場跡地だ。遊休地活用による財務価値、新しいビジネスを生み出す事業価値、雇用に代わる地域貢献の三つのメリットから開発を始めた。

 経験を積むうちに知見も備わってきた。フジサワSSTではパナソニック製品を動員するハード面が強調された。それを宮原部長は「『パッケージモデル』だった」と振り返る。それが今は、パナソニックの製品ありきではなく「(ハード以外まで)広げる方向に変わってきた」という。

 ツナシマSSTでは場所や生活に応じたエネルギーインフラを検討できた。フジサワSSTでも住民が街の運営に携わる管理モデルができ、街づくりのソフト面のノウハウも習得できた。開発事業者とは違う「メーカーらしいイノベーションができている」と自信を深める。

 現在、遊休地を抱える他社からの相談が寄せられているという。他社の土地で、しかも地方となると採算は厳しくなるが「難しいところを突破してみたい」と水平展開への意欲をみせる。

《解説》
 パナソニックの太陽光、HEMS、蓄電池を標準装備したパナホームの住宅街(三井不動産系の住宅も)、つまりオール・パナソニックのイメージがフジサワにある。ツナシマはパナソニックブランドの露出は少なめ。ただし、野村不動産、ユニー、アップル、慶応大学(学生寮)、東ガス、JX、横浜市などと一度に接点を持っている。普通、一つの製品なら一度の接点は1社だろう。街づくりは1度にたくさんの顧客にリーチできる。宮原氏が言うには、そこがパナソニックのBツーB戦略に生きてくる。

最終更新:6月3日(金)8時20分

ニュースイッチ

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