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セレナ、タフな準々決勝に勝利 [全仏テニス]

THE TENNIS DAILY 6月3日(金)16時53分配信

 フランス・パリで行われている全仏オープン(5月22日~6月5日)の大会12日目、女子シングルス準々決勝。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の胸は、ポイント間に激しく波打っていただろう。彼女のフットワークは理想的とはいえず、そのミスはこの準々決勝で1セットを落とし、さらにワンブレークされるまで出続けていた。

セレナがプティンセバの挑戦を退け準決勝進出 [全仏オープン]

 それでも、これまで頻繁にやってきたようにセレナは必要なときにしっかりと舵を正し、窮地から抜け出すことに成功した。ノーシードから勝ち上がった21歳のユリア・プティンセバ(カザフスタン)を5-7 6-4 6-1で倒し、22番目のグランドスラム・タイトル獲得という最多タイ記録にさらに近づいた。

 セレナは2014年ウィンブルドン以来となるグランドスラム早期敗退に、どれほど近かっただろうか?世界ランク60位にすぎないプティンセバは、キャリア最大の勝利に向け、あとはサービスをキープするだけという状態まであと1ポイントと迫った。

「彼女は信じられないようなプレーをしたわ。正直言って、第2セットでは自分が勝つとは思っていなかった」とセレナ。「でも何とかやってのけたわ」。

 そう、何とか…。セレナはプティンセバというファイターだけでなく、肌寒く、短い雨の中断があったこの日に、自分自身の不安定さも克服した。セレナのストロークは低調で、コントロールは乱れ、彼女はミスに次ぐミスを重ねた。また、動きもよくなく、プティンセバとの長いラリーはセレナを憔悴させた。

「ラリーはとても長く、とても厳しかった。彼女は試合の中での長いラリーに慣れていないんだよ。通常、4、5ショットを打てば、ポイントは終えられるから」
 かつてプティンセバを指導したこともあるセレナの現コーチ、パトリック・ムラトグルーはこう言う。
「今日の彼女は、いつもよりずっと働かなければならなかったね」

 あるポイントでセレナは必死になるあまり、ラケットを左手に移してなんとかショットを返そうとして空振りした。そして第1セットの終わりには、24本のアンフォーストエラーをおかした(プティンセバは2本)。

 しかし、セレナにとって重要なのは、勝って、彼女にとって31回目となるグランドスラム準決勝に進出したということだろう。セレナは準決勝で、もうひとりのノーシードプレーヤーで世界ランク58位のキキ・バーテンズ(オランダ)と対戦する。

 バーテンズは、1977年の全米オープンで準決勝に進出したベティ・ストーブ以来となる、グランドスラムの準決勝にたどりついたオランダ人女子プレーヤーとなった。

 バーテンズは準々決勝で第8シードのティメア・バシンスキー(スイス)に7-5 6-2で勝ち、連勝記録を12に伸ばした。これは彼女にとって、1回戦での世界3位で全豪オープン優勝者であるアンジェリク・ケルバー(ドイツ)を含め、今大会で4度目のシードプレーヤーに対する勝利だ。ほかに、3回戦で第29シードのダリア・カサキナ(ロシア)、4回戦で第15シードのマディソン・キーズ(アメリカ)を破っている。

 セレナは昨年のウィンブルドンで、21番目の、4大会連続のグランドスラム優勝を遂げたが、続く全米オープンでは準決勝でロベルタ・ビンチ(イタリア)に、今年の全豪オープンの決勝ではケルバーに敗れている。

 このつまずきが、より無名の相手に対して起こっていたかもしれない。
 プティンセバは21歳でセレナより13歳若く、今回までグランドスラムで3回戦以上に進んだことはなかった。しかし、彼女はほとんどすべてのボールに食らいつき、身長163cmの体をぶつけるようにして、深いグラウンドストロークを打ち込んだ。

 セレナは第1セット5-5からの自分のサービスゲームで40-0とリードを奪ったが、そこから崩れた。バックハンドをミスしてそのゲームを落としたあと、プティンセバは次の自分のサービスゲームをラブゲームで取り、セットを手中にする。そのときのプティンセバは、観客に自分とともに喜ぶよう促しながら、腕を振り上げた。

 鍵となる瞬間は、プティンセバが2つのブレークポイントを握った第2セット4-4でやってきた。もし、それを彼女がものにしていたら5-4とリードし、試合を締めくくるためのサービスを打っていたはずだった。しかし、彼女はそうすることができなかったのだ。

「すごく競った試合だった。競って…そしてとても遠かった…私のほうから見れば」とプティンセバは言った。

 セレナがドロップボレーを決め、やっとそのゲームをキープしたとき、彼女は「ふうっ」とでも言いたげに手の平を上げ、灰色の空を見上げた。

 それからセレナは、プティンセバがダブルフォールトをおかした次のゲームをブレークした。プティンセバはラケットをくるくると回してそれを落とし、白い帽子のつばを目の上に引き寄せた。

 彼女たちの試合は、そこから32分ほど続いて、セレナの勝利で幕を下ろした。(C)AP (テニスデイリー/THE TENNIS DAILY)

最終更新:6月3日(金)16時53分

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