ここから本文です

「カウンター・カルチャーは、今となってはその時代の文化」 “パンクの女王”パティ・スミスと11年ぶりに来日したフィリップ・グラスがギンズバーグの影響を語る

Billboard Japan 6月3日(金)20時0分配信

 今週末、東京・すみだトリフォニーホールで行われる【THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ】、【THE COMPLETE ETUDES】公演のために来日したフィリップ・グラス、パティ・スミス、ジェシー・スミス、テンジン・チョーギャル、レニー・ケイ、滑川真希、そして久石譲が2016年6月3日に記者会見を行い、ギンズバーグへの想いや公演の意気込みを語った。

 6月4日に行われる【THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ】は、会見当日に生誕90周年を迎えた、ビート詩人アレン・ギンズバーグと生前親交の深かったパティ・スミスとフィリップ・グラスが彼に捧げた公演。フィリップの代表曲にのせて、パティがギンズバーグと自身の詩を朗読する他、パティの弾き語りや、フィリップのピアノ独奏も予定されている。また、今回の日本公演は劇中で朗読される詩の完全新訳を村上春樹、柴田元幸が手掛けている。

 翌日6月5日上演の【THE COMPLETE ETUDES】では、90年代からフィリップ・グラスが作曲に取り組んだピアノ・エチュード全20曲を演奏。毎回開催地のピアニストと共演する形がとられているこのコンサートには、フィリップが2014年にリリースしたアルバム『The Complete Piano Etudes』で、全曲演奏を担当したオーストリア在住のピアニスト滑川真希と『風の谷のナウシカ』(1984年)~『風立ちぬ』(2013年)まで宮崎駿の全監督作の音楽を担当している久石譲の出演も決定している。

 パティは、「フィリップと私、そしてレニーは、素晴らしき活動家で詩人のギンズバーグと親しく、彼の作品をフィリップの音楽と私たちのエネルギーを通じて、みなさんにお届けできることを光栄に思います。」と挨拶すると、フィリップは「アレンはパティにとって兄のような存在で、私たちに多大な影響を与えました。」と続けた。

 質疑応答で、アレン・ギンズバーグとの出会いについて問われると、パティはギンズバーグに男性に間違えられたことが出会いの発端になったというエピソードを披露し、その後自身の師になり、彼から政治活動やウィリアム・ブレイク、ウォルト・ホイットマンについて学んだことを明かした。また、ギンズバーグ同様“ビート・ジェネレーション”の旗手ウィリアム・バロウズについては、「彼の恋人になりたかったのですが、残念ながら彼は“ボーイフレンド”を探していました。その点ではうまくいきませんでしたが、彼らが私の師になってくれたのは、とてつもなくラッキーでした。」と語り、会場の笑いを誘った。

 ギンスバーグが2人に与えた芸術的インスピレーションについてパティは、「彼の行動から沢山のことを学んだ。」と話し、様々な物事に対する彼の好奇心、熱意とエネルギーを称えた。「たとえば、彼の本のサイン会に2000人のファンが詰めかけたとしても、全員と会話を交わし、本にサインしてあげるでしょう。そうやって人々に自分の愛を与えるのです、まるでダライ・ラマのように。」と彼の人間性に特にインスパイアされたと話すと、フィリップはギンズバーグが中心となったカウンター・カルチャーについて、「60~70年代にカウンター・カルチャーと言われていたものは、今となってはその時代の文化として捉えられている。」と明言した。

 最後に、公演ためにどのように準備したか問われると、久石譲は「僕の状態は、映画『ロッキー』ですね。最後に“サクセス”できるように頑張ります。」と意気込みを語り、フィリップの楽曲が素晴らしいところは「シンプルに書かれているようだけど、すべてを統括するような…すべてを受け入れる、まるで東洋の哲学な楽曲が多い。」と話した。

 パティの愛娘ジェシー・スミスとテンジン・チョーギャルがオープニング・アクトを務め、フィリップ・グラス、パティ・スミス、レニー・ケイが出演する【THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ】は6月4日、フィリップ・グラス、滑川真希と久石譲が出演する【THE COMPLETE ETUDES】は6月5日に東京・すみだトリフォニーホールで開催。さらに、パティ・スミスは6月7日にビルボードライブ東京、6月9日ビルボードライブ大阪で単独公演を行う。


◎公演情報

THE POET SPEAKS / THE COMPLETE ETUDES
フィリップ・グラス & パティ・スミス 来日公演
会場:すみだトリフォニ-ホール(大ホール)


2016年6月4日 (土) 14:00開演 / 19:00開演
THE POET SPEAKS ギンズバーグへのオマージュ
出演:フィリップ・グラス(Piano)、パティ・スミス(Vocal & Guitar)
翻訳: 村上春樹、柴田元幸(完全新訳)


2016年6月5日 (日) 15:00開演
THE COMPLETE ETUDES
出演:フィリップ・グラス(Piano)、久石譲(Piano)、滑川真希(Piano)
INFO: http://www.parco-play.com/web/play/poetspeaks/


パティ・スミス
アコースティック・コンサート with ジェシー・パリス・スミス and レニー・ケイ
Opening Act:ジェシー・スミス&テンジン・チョーギャル


ビルボードライブ東京:2016年6月7日(火)
1st Stage 開場 13:00 / 開演 14:00 2nd Stage 開場 19:00 / 開演 20:30
ビルボードライブ大阪:2016年6月9日(木)
1st Stage 開場 13:00 / 開演 14:00 2nd Stage 開場 19:00 / 開演 20:30
INFO: Billboard Live http://www.billboard-live.com

最終更新:6月3日(金)20時0分

Billboard Japan

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。