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【日本株投資戦略】消費税増税見送り!月初の株価下落で好機到来?の好業績銘柄をご紹介

ZUU online 6月4日(土)14時10分配信

東京株式市場の6月は波乱のスタートとなりました。日経平均株価は5/2(月)の15,975円の安値を起点に5月はおおむね堅調に推移し、5/31(火)には17,251円まで値を回復しました。しかし、6/1(水)・6/2(木)には続落となり、一気に1万6千円台半ばまで値を下げる展開になっています。

6月相場が波乱のスタートとなった背景には、重要日程が目白押しなことに加え、円安が一巡したことがあげられると考えられます。また、6/1(水)に消費税の引き上げについて、従来予定の2017/4から2019/10に延期されることが発表されましたが、財政再建を不安視する向きもあり、素直に好材料視されにくくなっていることも影響していると考えられます。

今回の「日本株投資戦略」では、6月に入ってからの株価下落をチャンスと考え、さらに消費増税延期を企業業績にプラスと捉えた場合、投資対象として有望と思われる銘柄を抽出し、ご紹介いたします。

■好機到来?の好業績銘柄はコレ!?

6月相場は波乱のスタートとなりました。重要日程が目白押しなことに加え、円安が一巡したことが要因と考えられます。また、6/1(水)に消費税の引き上げについて、従来予定の2017/4から2019/10に延期されることが発表されましたが、財政再建を不安視する向きもあり、素直に好材料視されにくくなっていることも影響していると考えられます。

このうち「重要日程」については、6/3(金)の雇用統計の発表が過ぎると6/15(水)のFOMCの結果発表、6/16(木)の日銀金融政策決定会合の結果発表と続きます。

ただ今回は両会合とも、6/23(木)に予定されている「英国のEU離脱の是非を問う英国民投票」の前だけに政策変更しにくい面があり、逆に過度の追加緩和期待(日銀会合)や利上げ観測(FOMC)につながらない可能性がありそうです。このため、極端な株価の波乱要因になる可能性は小さいかもしれません。

消費税引き上げの先送り(2017/4→2019/10)については、財政再建問題に絡んで賛否が分かれているのが現実ですが、当面の企業業績には追い風(第3項に説明)になるとみられます。

こうした中、足元の株価下落は投資チャンスになっている可能性が大きいと考え、「日本株投資戦略」では、以下の条件を満たす8銘柄をご紹介したいと思います。

(1)東証一部上場企業
(2)時価総額1千億円以上(6/2現在)
(3)5/2(月)から6/2(木)までの期間に株価が上昇している銘柄(ただし上昇率20%未満)
(4)6/1(水)・6/2(木)に株価が下落している銘柄
(5)予想EPSを公表しているアナリストが2社以上ある銘柄
(6)今期・来期ともに10%超の営業増益が予想(市場コンセンサス)されている銘柄
(7)今期予想営業利益について、アナリスト予想が会社予想を10%超上回っている銘柄

上記の全条件を満たす銘柄を(4)の株価下落率が大きい順に並べたものが表1です。なお、ホンダ <7267> も全条件に合致していましたが、タカタ問題を考慮して除外しました。

日経平均株価は5/2(月)終値16,147円に対し、6/2(木)終値は16,562円と2.6%上昇しており、企業の業績動向を反映しやすいこの期間に株価が下落しているようでは、投資家の関心も集めにくいと考えました。

景気・企業業績が不透明な時期であるにもかかわらず、アナリストによる調査の結果、強気な業績見通しを出しており、株価も基調的には堅調なものの、過熱感が比較的小さく、短期的に押し目を形成している銘柄ということになります。なお、レポート作成のタイミング上、6/3(金)以降の株価は織り込めていませんので、その点はご注意ください。

表1:好機到来?の好業績銘柄はコレ!?

高砂熱学工業 <1969>
共立メンテナンス <9616>
日本パーカライジング <4095>
西松建設 <1820>
エフ・シー・シー <7296>
ソニー <6758>
日本M&Aセンター <2127>
フジシールインターナショナル <7864>

※Bloomberg、会社公表データをもとにSBI証券が作成。「市場」は「市場コンセンサス」の意味。来期予想営業増益率(市場)は、今期予想営業増益率(市場)と比較した増益率。

■ご紹介銘柄の投資ポイント

高砂熱学工業 <1969> は空調大手です。17/3期は空調大手等の設備投資増加が追い風になりそうです。受注残はほぼ1年分の量を確保し、16/3期末現在で前期比6.9%増えています。連結BPS(一株当純資産)は1,392円で、現状は「解散価値」割れになっています。

共立メンテナンス <9616> は需要の安定した寮事業、訪日客需要を取り込むホテル事業が中心となっています。今期も寮事業は堅調が見込まれるほか、ホテル事業では7棟のオープンを予定するなど、積極展開を図っています。

日本パーカライジング <4095> は経済産業省が選出した「グローバルニッチトップ企業100社」の一角を占めます。自動車塗装下地表面処理分野で世界シェア20%(日系メーカー向けは70%)を誇ります。会社側は今期営業減益予想ですが、アナリストは増益を見込んでいます。

西松建設 <1820> は財務健全なゼネコン準大手で、連結BPSが555円と現状は「解散価値」割れになっています。労務費や資材費が落ち着いてきており、手持ち工事を消化して今期も増益を見込んでいます。

エフ・シー・シー <7296> はホンダ系自動車部品メーカーですが、欧米メーカー向けへの納入も伸びています。予想PERが13倍台で市場平均を下回っている他、連結BPSも2,132円と現状は「解散価値」割れになっています。

ソニー <6758> はご存知の民生用電機大手です。今期予想営業利益は微増益の3,000億円を見込んでいますが、熊本地震の影響1,150億円を織り込んでいるため、実力的には大幅増益予想になっていたと考えられます。1ドル1円の円高が70億円の「増益要因」(前提レートは今期1ドル110円)となるため、円高圧力がくすぶる市場でも投資しやすい面があります。10月に発売予定のVR(バーチャルリアリティ)システムが話題を集めそうです。

■すでに日経平均株価は買い場に到達?

図3では、日経平均株価(日足)を太い赤線で示しています。また、日々計算される日経平均の予想EPS(一株利益)にPER13.5倍、同15.0倍、16.5倍に相当する水準を細めの線で示しています。今、日経平均株価の安値形成パターンに注目したとき、2013/6以降の日経平均株価は予想PER13.5倍の水準前後で当面の安値を形成しているケースが多くなっています。

6/1(水)現在の日経平均の予想EPSは1,190円でそれにPER13.5倍をかけると16,063円と計算されます。なお、予想EPSは3月決算の本決算が発表された直後で、上場企業の業績予想修正が少ない時期に入っており、当面は大きく変動しないことが想定されます。したがって、16,000円前後の水準は当面、重要な下値支持ラインになるとみられます。

今回、消費増税が2019/10まで見送られるはこびとなったため、2018/3期・2019/3期の企業業績がその分押し上げられることを期待できるようになりました。逆にもし予定通り2017/4からの消費増税が決行されていた場合、円高等でただでさえ2017/3期の企業業績に減益リスクがくすぶっているのに、2018/3期も減益リスクを覚悟せざるを得なかったと思います。

その場合、中長期的に日経平均の予想EPSも下向きとなり、さらに企業や投資家のマインドも悪化し「予想PER13.5倍が安値メド」とは言い切れなくなった可能性が大きいように思われます。消費増税見送りは当面の株価にとっては追い風になる可能性が大きそうです。

なお、テクニカル的にも日経平均株価はすでに買い場に接近している可能性が大きそうです。図4は日経平均の一目均衡表ですが、クモの下限(先行スパン)の水準が現在は16,200円台にあり、そこが重要な下値支持ラインになっているためです。

図3:日経平均株価と予想PER13.5倍、15.0倍、16.5倍相当水準~予想PER13.5倍が下値メド

図4:日経平均(日足)一目均衡表~「クモ下限」は16,239円(6/3・6/6)

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

最終更新:6月4日(土)14時10分

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ホンダ7267
2942.5円、前日比-64.5円 - 9月26日 15時0分

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高砂熱学工業1969
1512円、前日比-25円 - 9月26日 15時0分

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共立メンテナンス9616
6410円、前日比-100円 - 9月26日 15時0分