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社員一丸、名車復元 福島トヨタ自動車初代クラウン修復中

福島民報 6月4日(土)10時36分配信

 福島トヨタ自動車(本社・福島市、佐藤健介社長)はトヨタ自動車の販売店・トヨタ店の創業70周年にちなみ、「初代クラウン」を復元させる。半世紀前の車の修復作業を通して社員に車造りの楽しさを感じてもらい、創業精神を伝承する。高度経済成長期に憧れの的となった名車が時代を超えて、よみがえる。
 プロジェクトに携わる整備士らは3日、市内の工場でエンジンルームの補修作業に励んでいた。「だいぶ進んだな。あと少しだ」。若手社員をねぎらったベテラン整備士の表情には真剣さの中に喜びがにじんでいた。
 復元するのは社内に20年近く保管されていた昭和37年製のRS31型クラウン。初代クラウンの最終モデルで、大卒初任給の平均が2万円以下の時代に約90万円の値札が付けられた高級車だ。
 昨年8月、整備士を中心に30人がかりで修復に着手した。最も苦労したのが腐食して穴が開いたボディーの補修。交換部品がないため、鉄板を加工して部品を一から作って溶接した。エンジンやハンドルなどの部品は一度外し、ボディーを修復した後で戻した。
 プロジェクトの輪は次第に社内に広がり、営業担当者や管理職など整備士以外も携わるようになった。リーダーの佐久間聡さん(41)は「みんなが一つになれた気がする。若い人が喜んで作業しているのを見るとうれしくなる」とほほ笑む。
 7月中旬にも完成する見通しで、9月以降、県民向けに披露する機会を設ける。プロジェクトは各都道府県のトヨタ店でも繰り広げており、8月末には愛知県に全国の初期型クラウンが一堂に集まる。

■車造る楽しさ再認識 インタビュー 佐藤健介社長
 初代クラウンの復元に臨んでいる福島トヨタ自動車の佐藤健介社長は3日、福島民報社の取材に応じ、プロジェクトの狙いや今後の方針を語った。
 -プロジェクトの意図と成果を。
 「スタッフに車造りに携わる楽しさを改めて感じてほしかった。多くの社員が少年のような目をして取り組んだ。貴重な経験になったはずだ」
 -今後の方針は。
 「公道で走れるように準備を進める。詳細は今後詰めるが、県民が見て、乗って楽しめる機会を設けようと検討している」

福島民報社

最終更新:6月4日(土)10時41分

福島民報