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連載コラム第5回「リオ出場への軌跡」車椅子バスケ

カンパラプレス 6月4日(土)11時0分配信

スーパールーキー鳥海連志(ちょうかい・れんし)の出現

 2014年、日本車椅子バスケットボール男子日本代表は世界選手権とアジアパラ競技大会で韓国に3連敗を喫した。翌2015年にはリオデジャネイロ・パラリンピックの出場権が懸かったアジアオセアニアチャンピオンシップが控えていた。オーストラリア、イランという強豪がいる中、出場権を獲得できる上位3位カ国に入るには、韓国に負けるわけにはいかなかった。チームのレベルアップが必要とされていたことは言うまでもない。そんな中、一人の若手が台頭してきた。高校生ルーキー鳥海連志である。

指揮官の目に留まった才能

 鳥海が初めて日本代表候補の強化合宿に招致されたのは、2014年8月、彼はまだ高校1年生だっだ。その年の5月、ようやく初めて日本選手権への出場をかなえた鳥海にとって、「日本代表」や「パラリンピック」という世界は遠い存在だった。

 彼が代表候補の一員となったきっかけは、合宿1カ月前の7月に行われた「のじぎく杯」での活躍だった。同大会で、鳥海は長崎県選抜の一員として出場し、決勝に進出した。そこで対戦したのが、日本代表の指揮官でもある及川晋平ヘッドコーチ(HC)が率いるNO EXCUSE(東京)だった。結果は58-44で、NO EXCUSEが優勝。だが、決勝での鳥海のプレーは、及川HCの心を動かすのに十分だった。

 「鳥海のディフェンスは抜群でした。プレッシャーのかけ方がうまく、こちらに思うようにプレーさせませんでしたし、積極的にスチールを狙って攻撃につなげていました。以前から彼のことは知っていて、いい選手だなとは思っていました。でも、改めて“これほど高い能力を持った選手なんだな”と分かったんです」
 その後、鳥海は強化合宿の常連メンバーとなった。

 国内のトップ選手たちが集結する代表候補の中には、ドイツのブンデスリーガ―でプロとして活躍する選手もいる。そこで求められるものは、世界に通用する心・技・体。しかし当時はまだ、鳥海のプレーは粗削りな部分が多くあった。ただ、彼の成長速度は及川HCが「天才的」と言うほど並外れていた。合宿に招致されるたびに、彼のプレーには正確さが増していった。20人ほどいる代表候補の中でのポジションも徐々に確立され、強化合宿に呼ばれ始めて半年、2015年に入ると、海外遠征メンバーにも選出されるようになっていった。

 それは、決して「将来を見据えて」のものではなかった。及川HCはこう語っている。
 「私は鳥海をホープだとは思っていません。既に彼は国内トップクラスの選手。即戦力として期待しているんです」
 その指揮官の期待を、鳥海は裏切らなかった。

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最終更新:6月4日(土)11時0分

カンパラプレス

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