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ヲタ芸男子「福井勢」キレッキレ ユーチューブに動画投稿70本

福井新聞ONLINE 6月4日(土)8時16分配信

 暗闇に勢いよく回転する怪しげな光―。福井市内の公園で男子高校生らが「ヲタ芸」(オタクの芸)に熱中している。両手には、赤や青色のLEDが光る“ヲタク棒”。アニメやゲームの曲に合わせて巧みに手を交差し、全身で表現する。彼らにとってヲタ芸は「自分の感情を唯一、爆発させられる。無心になれるもの」だ。

 手拍子や声援だけでは物足りないというアイドルファンの間で生まれたヲタ芸。棒を持ってパフォーマンスすることを「打つ」といい、その人を“打ち師”と呼ぶ。数人で技をそろえたり、立ち位置で動作を変えたりして演技する。定型の技があり、代表的なのは両腕を伸ばして左右に大きく棒を振る「ロマンス」。高揚した感情を表す「ナルシス」は、両手を合わせてから顔を上げるのと同時に片手を顔に添える。各自が感情の高まったタイミングで行う。

 福井市内に住む高校2年生の宮武翔太さんは2014年、ヲタ芸の動画と出合い「光の軌道や、人によって異なる独特の動きがかっこいい」ととりこに。中学の仲間とともに昨秋、チーム「福井勢」を結成した。初期メンバーは4人だったが、ネット上で福井勢の存在を知った鯖江市や越前市の若者らが続々と加入した。現在は中学生から大学生までの男性約40人が所属する。

 5月の休日。高校生と大学生9人が福井市内の公園で練習に励んでいた。手の動きを確認したり、互いにアドバイスしたりする様子は学校の部活動のよう。「一人で練習するより、同じ趣味を持つ仲間とやった方がテンションが上がる」と声をそろえる。4月末に加入したばかりの「らぎ」さん(高校3年)は「みんなかっこいい。どう動いたらきれいなのか教えてくれる。尊敬している」と目を輝かせる。

 「棒8本を改造するのに2万円かかりバイト代が全部飛んだ」と宮武さん。「より明るく光らせたい」と、県外の知人に依頼して棒の中のLEDを増やした。ある高校生は「何を目指すわけでもなく、ただ、好きなことを極めたい」という。

 全国の打ち師たちによる動画はネットで数多く見ることができ、動画投稿サイト「ユーチューブ」で「ヲタ芸」と検索すると約36万件(6月3日時点)ヒット。福井勢はこれまで約70の動画を投稿した。目指すは、ユーチューブのチャンネル登録者数200人突破。現在は約190人で「突破したら全員で動画を撮るか、県外遠征をしたい」と気持ちを高ぶらせている。

福井新聞社

最終更新:6月4日(土)8時16分

福井新聞ONLINE