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デング熱、ジカ熱…官民で対策 殺虫剤、蚊取り空気清浄機は売上好調

埼玉新聞 6月4日(土)10時30分配信

 デング熱、ジカ熱の感染を防ごうと、県営公園や民間のゴルフ場は蚊の防除対策を進めている。世界的な流行を受けて市民の関心も高まっており、ホームセンターでは殺虫剤の売り上げが上昇。今春発売された蚊取り機能付き空気清浄機の売れ行きも好調だ。官民、業界の枠を超えた包囲網で、“小さな脅威”の封じ込めを図る。

 デング熱やジカ熱を媒介する蚊のうち、「ヤブカ」と呼ばれるヒトスジシマカは本州に広く分布する。活動期間は5月中旬~10月下旬。水たまりに卵を産み付け、幼虫(ボウフラ)は水中で生活する。雑木林だけでなく、都市部の公園にも多く生息する。

 埼玉県さいたま市大宮区の県営大宮公園は5月の連休明けから、側溝など水がたまりやすい場所に蚊の成長を抑制する薬剤をまき始めた。本格的なシーズンを控えて6月から散布箇所を増やすとともに、蚊が発生しないよう雑草の刈り取りも実施する予定だ。

 民間も対策に力を入れている。鳩山町のゴルフ場「鳩山カントリークラブ」は、まず社員の意識を高めようと5月初旬、蚊の撲滅を掲げる啓発ポスターを独自に作成した。水たまりの原因となる空き缶やビニール袋の除去も徹底。利用客にも「虫よけスプレーの使用や、長袖長ズボンの着用を呼び掛けることを検討している」という。

 「蚊に対する関心が高まっているのか、昨年に比べて殺虫剤の売り上げが1割ほど伸びている」と話すのは、さいたま市のホームセンター「スーパービバホームさいたま新都心店」。4月下旬に設置した売り場には約250種類の蚊取り関連商品が並ぶ。

 近年の売れ筋は、ぶら下げておくだけで薬剤が空気中に広がり、蚊の侵入を防ぐ忌避剤タイプ。「使い勝手が良く、煙も出ない。近所迷惑にならないという理由から、特にマンションの住民に好まれている」。屋外用として身体に付ける虫よけも出ている。

 家電メーカーも蚊の退治に乗り出した。シャープは4月23日、蚊取り機能付き空気清浄機「蚊取空清」を発売。紫外線で蚊を呼び寄せて内部の粘着シートで捕獲する。通常の空気清浄機に比べると1万円ほど割高だが、予想以上の売れ行きで月産台数を当初の3倍に増やした。

 蚊の多い東南アジアで2015年9月から販売し、好評を得て国内でも発売した。同社の広報担当は「薬剤を使わずに蚊を駆除できるのが特徴。小さな子どもがいたり、ペットを飼っている家庭で需要があると聞いている」と話し、商品ラインナップの拡大も視野に入れているという。

最終更新:6月4日(土)10時30分

埼玉新聞