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自前主義の技術開発から脱却し始めたパナソニック。これから何をするんですか?

ニュースイッチ 6月4日(土)9時10分配信

技術部門の担当専務に聞く。「AIベンチャー買収、市場が過熱気味なので慎重に判断」

 パナソニックは4月にオープンイノベーション施設を東京と大阪に開設した。社内外の共創を促すコミュニケーションの場として機能させ、研究開発に新たな風を吹き込むのが狙いだ。そんな同社が最重要テーマとして掲げるのが人工知能(AI)。どのように研究開発を強化し、事業に生かしていくのか。技術部門を率いる宮部義幸専務に聞いた。

 ―研究開発体制をどのように改革していきますか。
 「従来の技術先行型を改め、技術者を事業の最前線に配置してタイムリーな研究ができるようにする。社内で全てを賄う垂直統合的な体質を変える。ディスプレーの大型化や薄型化など取り組む内容が明確な液晶テレビなどでは、従来の方法が機能していた。これからは、そもそもそんなことが役に立つのか、顧客が欲しがるのかということを早い段階で顧客にぶつけてフィードバックを得る。広く世の中から知識を得て、そこに自分たちの知識を加えて新規事業につなげる。自前主義からの脱却を目指す」

 ―技術テーマでパナソニックの強みはどこにありますか。
 「100年近い歴史の中、家電メーカーとして一般消費者を意識した知見を多く培ってきた。当社はBツーB(企業間)事業にシフトする方針を表明しているが、航空機内エンターテイメントシステムや冷蔵ショーケース、販売時点情報管理(POS)など、今でも一般の人が接する事業が主力になっている。消費者とシステムをつなぐインターフェースの役割に、パナソニックの価値を見いだしていきたい」

 ―今後、強化するAI分野の技術者はどのように確保していきますか。
 「特別な採用制度を設け、2018年までにAI技術者を現状の2―3倍に増員する。AI研究に特化した大学の研究室でのスカウトや、社内ソフトウエア系技術者のAI系技術者への転身プログラムを大学と共同で始めた。AI関連ベンチャー企業を買収する可能性もあるが、今は市場が過熱気味なので慎重に判断していく」

 ―AI技術と関連する自動運転の研究を各社が進めています。
 「我々の強みはイメージセンサーやミリ波センサー。車や人との距離を測れば、運転判断の精度が格段と上がる。センサーとディープラーニングアルゴリズムを組み合わせ、他社に勝っていきたい。開発中の高感度イメージセンサーは自動運転だけに限定せず(高精細な)8K動画カメラやその他の製品にも生かす」

【記者の目・現場から提案できる風土に】
 社外との共創を促進する場は設けたが、これからは研究開発の中身が問われる。オープンイノベーション拠点はボトムアップ型の施設にしたい考えで、現場から提案できる研究風土にできるか否かが重要だ。現場の技術者がどれだけ自主性を持ち、外部の人に社内情報をどれだけ公表できるかが、今後の研究開発に大きく影響しそうだ。
(聞き手=大阪・川合良典)

最終更新:6月4日(土)19時38分

ニュースイッチ

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