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イノシシ駆除、地域一丸で 住宅地で被害、わな増設へ 佐賀・神埼市

佐賀新聞 6月4日(土)15時1分配信

■対策会設立、住民も捕獲補助

 佐賀県神埼市神埼町の城原地区(田中利明区長)は、イノシシなどの有害鳥獣対策に全住民で取り組む組織を立ち上げた。地区では、駆除を狩猟免許を持つ地元猟友会に委託しているが、生活圏内での目撃例や捕獲頭数が増加しており、負担が増している。免許を持たない住民もわなの設置や管理の補助員を務めることで、効果的な駆除や非農業者を含む住民意識の向上につなげる考えだ。

 県内の有害鳥獣による農作物への直接被害は、2002年の約7億円をピークに減少傾向にあり、14年で約2億円。ワイヤーメッシュで仕切るすみ分けや、ほ場内に餌となる野菜・果樹の廃棄品を放置しないなど対策が進んだためだ。ただ、捕獲数はここ数年、2万3千頭前後と高い水準で横ばいになっている。

 同地区では近年、住宅地でのイノシシ目撃情報が目立ち、住民の自家用車などが損傷する事例も増えている。地区内十数カ所に箱わなを仕掛けているが、地元の猟友会メンバーが1人で毎日見て回り、餌を補充するなど管理している現状では、これ以上のわな増設は不可能という。

 警戒心が強く、学習能力の高いイノシシを捕獲するには、仕掛けの外から徐々に餌を奥深い場所に寄せるなどこまめな管理が欠かせない。地区によっては、猟友会メンバーの高齢化や人手不足で、捕獲できないケースもある。国の有害鳥獣捕獲補助員制度の講習を受けることで、狩猟免許のない住民もわなの管理、設置・撤去の補助が可能となり、負担軽減やわなの増設が期待される。

 5月22日に城原公民館であった設立総会には、市長や地元議員らも参加。住民側から「イノシシは夕暮れを待って動き始める。夕暮れ30分でもいいから猟銃使用時間の延長を」「捕獲したイノシシの処理施設の検討を」などと行政支援も求めた。

 総会後に住民向けの講習会があり、県の有害鳥獣対策の専門家らにイノシシの特性、わなの仕組みや管理上の注意点などを学んだ。受講した住民は近く正式に補助員として認定を受け、活動を開始する。田中区長は「大きな被害が出ないうちに、いま立ち上がらなければと思った。今後はイノシシに限らずさまざまな困難が予想され、何事も住民一体で取り組むという意識を共有できれば」と話した。

最終更新:6月4日(土)15時1分

佐賀新聞