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絶好調の中で社名変更に踏み切る富士重。社長が考えるアキレス腱

ニュースイッチ 6月4日(土)9時53分配信

吉永社長インタビュー「最大の課題は人材の採用だ」

 北米市場で快進撃が続く富士重工業。2020年度の世界販売目標を当初計画比10万台増の120万台超に再設定した。車の需給はいまだ逼迫(ひっぱく)しており、米国工場の生産増強を前倒しで進める。17年4月1日には社名を「SUBARU(スバル)」に変更する。この勢いのまま”スバル“は輝き続けることができるのか。吉永泰之社長に戦略を聞いた。



―社名変更の狙いは。

「世界販売100万台突破が確実になる中、スバルブランドを一層磨いていくために社名とブランド名を統一するのが合理的だと判断した。20年度までの経営ビジョンを公表した14年には(社名変更すると)決めていた。やるなら創業100年にあたる17年しかないと思っていた」

―北米の好調さを維持するための戦略は。

「サービス体制を充実させることがカギになる。現在は米国に販売店が約625店あるが、急激に販売台数が伸びたため、店舗にある車のメンテナンススペースが少なくなっている。販売店には利益が出た分、サービスに投資するように言っている。ここ数年で初めてスバル車を購入した方に『やっぱりスバル車に乗り続けたい』と思ってもらえるようにする体制づくりが欠かせない」

―18年度までに生産能力を15年度比で3割増やします。計画より前倒しの増強ですがサプライヤーはついていけますか。

「最大の課題は人材の採用だ。いくら設備投資ができても人がいなければ車ができない。米国工場と現地サプライヤーがかなり緊密に連携して、一緒になって採用活動している」

―日本と米国が主要生産拠点です。北米での販売が伸びる中、今の生産体制を見直す考えはありますか。

「いくら北米が好調だからといって、日本から米国に生産の軸足を移すことは考えていない。為替が円高に推移しても考え方は変わらない。日本のサプライヤーの皆さんにはぜひ安心してモノづくりに集中していただきたい」

―北米以外の販売をどう伸ばしていきますか。

「現在、販売は中国とロシア以外は好調だ。豪州は15年暦年の販売が過去最高だったし、東南アジアでも過去最高の国が出てきている。北米が売れているのを知ってアジアなど他の国の人がスバル車に大変関心を持ってくれている。そういった波及効果がある意味でも、やはり今は好調な北米を伸ばすのが大事だ」

―21年に電気自動車(EV)を投入します。

「米カリフォルニア州のZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制など各国の環境規制に対応するために、EVをやる必要があると判断した。我々が開発するEVは小型スポーツ多目的車『XV』など既存車種のEV版を作るイメージ。スバル車を求める人の期待を裏切らないEVにする」

【記者の目・スバルブランド浸透で成長】
 16年度の世界販売計画104万9700台のうち、北米は69万5700台を占める。北米依存度が高いリスクを懸念する声もあるが、北米でいまだに車が足りない状況が続いており「販売店から『売る車がない』と怒られることもある」と吉永社長は苦笑いする。今は北米の需要に着実に応えていくことが、世界でスバルブランドをより浸透させ、持続的に成長する上で重要だといえる。
(聞き手=下氏香菜子)

最終更新:6月4日(土)9時53分

ニュースイッチ

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