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メニコンは上場効果を生かせるか。“国産ブランド”前面に攻めの施策次々と

ニュースイッチ 6月5日(日)12時34分配信

調達資金で国内工場への投資に

 コンタクトレンズの国内最大手メーカーであるメニコンが、2015年の株式上場を機に事業拡大策を矢継ぎ早に打ち出している。従来の定額制サービスに軸足を置きつつ、若年層への拡販を狙って、10―20代向けの新店舗ブランドを立ち上げた。16年内をめどに岐阜県各務原市の新工場で生産する1日使い捨てレンズの新製品の発売も目指す。使い捨てタイプなどで外資勢にシェアを奪われる中、国産ブランドを盾に巻き返しを図る。

 メニコンは1951年に、日本で初めて角膜コンタクトレンズを実用化した業界のパイオニアだ。その後は使い捨てレンズで、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などに先行を許したが、01年に始めた定額制サービス「メルスプラン」で収益構造を大きく安定化させた。

<会員囲い込みジワジワ、直営店も刷新>

 メルスプランでは月額利用料を支払えば、眼科医の処方の下、何度でもレンズを交換できる。4月末の会員数は117万5000人と順調に増えている。日本のコンタクトレンズ利用者は1800万人前後とされており、全体の6―7%をメルスプランで囲い込んだ計算だ。

 会員制導入で、顧客の利用頻度や売れ筋商品などのデータをつぶさに把握でき、生産部門との連携も密になった。神納武生産物流本部副本部長は「コンタクトレンズには幅広い種類があるが、メルスプランのデータがあるから欠品が少ない。在庫調整には不可欠だ」と述べる。

国内シェア目標20%へ

 15年11月には直営店の刷新を決めた。10―20代の女性を主要ターゲットとする店舗ブランド「Miru+(ミルプラス)」を立ち上げたほか、41店舗ある既存の直営店「Menicon」も順次、「Menicon Miru」に看板を掛け替える。

 新店舗ミルプラスの最大の特徴は、メニコン製品だけでなく他社の製品も扱う点。「度なし」のカラーコンタクトレンズなど、おしゃれとして楽しみたい年代にさまざまな商品を提案する一方、レンズメーカーとして商品の正しい使用方法などもセットで提供する。

 また、使い捨てタイプの需要が伸びる市場動向に対し、開発・生産面での対応も急ぐ。同社は15年の株式上場時に調達した約30億円の多くを投じ、各務原工場で1日使い捨てコンタクトレンズの新生産ラインを構築中だ。

 これまで、1日使い捨てタイプコンタクトレンズはシンガポール工場で生産した製品を輸入してきたが、需要が伸びているため、日本国内でも生産する。さらに16年内には、国内生産を前面に出した1日使い捨てタイプコンタクトレンズの新ブランドも市場投入。シェア拡大の切り札とする考えだ。

 こうした取り組みで定期交換型を含む使い捨てレンズの国内シェアを、13%から数年後には20%までに引き上げる。

 上場後初の年度決算となった16年3月期はメルスプランの会員数増加などで過去最高の連結売上高を達成。田中英成社長は「合格点は取った」と自信を深める。上場で得た資金や信頼をテコに、販売・生産の両面で事業拡大に挑む。

最終更新:6月5日(日)12時34分

ニュースイッチ