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新作が止まらない滝藤賢一、脇で異彩を放つ個性派俳優の魅力

クランクイン! 6月5日(日)6時0分配信

 今や名バイプレイヤーとして映画やドラマに引っ張りだこの滝藤賢一。大ヒットドラマ『半沢直樹』の同僚役・近藤直弼の好演を境に、その俳優人生はトップギアに入った。作品の多さもさることながら、タンクトップのギャル男から癌の妻を支える優しき夫、さらには虫に変身するネイルフェチの連続殺人鬼まで、その役幅の広さはハンパない。4児の良き父親でありながら、NGなしのチャレンジャー。そんな滝藤の魅力を探る。

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 名優・仲代達矢が主宰する俳優養成所「無名塾」(女優・真木よう子は同期)出身の滝藤。しばらくは役者とアルバイトをかけ持つ生活を続けていたというが、2009年、NHK土曜ドラマ『外事警察』で初のレギュラー出演を果たし、続くNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』(12)、そして『半沢直樹』(13)でブレイク。以降、脇で異彩を放ち、主役も張れる演技派俳優として、映画やドラマで重宝がられる存在となる。

 脇で輝くといえば、リリー・フランキーとムロツヨシ、この2人のカタカナ男も忘れてはいけない。フーッと吹けば善にも悪にも裏返るクセ者リリーと、コントにも意欲を見せる根っからの喜劇俳優ムロ。彼らには華があり、素の存在感に磁力がある。一方、こと演技にスポットを当ててみると、滝藤はその役ごとに姿を変え、作品に“同化”。脇で輝くとはいえ、リリー、ムロとは違う輝きが滝藤にある。

 『風俗行ったら人生変わったwww』(13)ではタンクトップにサンバイザーの刺青ギャル男、『愛の渦』(14)では妻子がいながら乱交パーティーに参加する中年男を怪演し、『はなちゃんのみそ汁』(16)では癌に侵された妻を献身的に支える夫を真摯に演じた。また、深夜ドラマではあるが『俺のダンディズム』(14)では主演も張れることも証明し、まさに変幻自在のカメレオンぶりだ。


 今年も前述の『はなちゃんのみそ汁』を皮切りに、SF大作『テラフォーマーズ』、豪華キャストの社会派サスペンス『64―ロクヨンー』、福山雅治共演の衝撃作『SCOOP!』(10月1日公開)、さらには現在放送中のTBS系ドラマ『重版出来!』と、まさに出突っ張りだが、作品ごとに色を変え、見事別人に生まれ変わる滝藤は、監督や製作者にとってクオリティを支える保険のような存在なのかもしれない。

 余談だが、『俺のダンディズム』で初主演を果たした時、インタビューの中で滝藤は、「ドッキリかな? と思ったくらい。主役はやりたくてもやれないもの。だから、素直にうれしかった。遂にキターッ! って感じでしたね」と喜びをあらわにした。脇を務める映画の舞台あいさつでは、誰も言ってくれないと実感しているのか、自分でボソボソと「きゃあ、素敵!滝藤さーん!」とマイクにつぶやいてから、「どうも!〇〇を演じた滝藤です!」というパターンも多々ある。この言動や行動を見ていると、ユーモアさの中にも秘めた狙いがある気がしてならない。

最終更新:6月5日(日)6時0分

クランクイン!