ここから本文です

[総体]名門復活の序章。福島東が郡山商を下し、決勝へ進出!:福島

ゲキサカ 6月5日(日)8時48分配信

[6.3 総体福島県予選準決勝 福島東高 1-0郡山商高 鳥見山多目的広場]

 平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(広島)への出場を目指し、福島の名門校同士が激突した。県予選準決勝まで勝ち残ったのは、かつてFW萬代宏樹(現水戸)、DF大原卓丈(元徳島、福島など)らを擁して第80回全国高校選手権大会で8強入りするなど全国で旋風を巻き起こした福島東高と、当時その萬代らを指導していた齊藤勝監督が率いる古豪・郡山商高。公立校同士の意地と意地がぶつかり合うような攻防を1-0の僅差で制したのは、福島東だった。

 序盤から押し気味に試合を進めたのは個々の身体能力で上回る郡山商。主将にして10番、技術と力強さを兼ね備えるFW橋本和樹を軸に攻め込み、福島東ゴールへと迫っていった。しかし先制点を奪ったのは、押し込まれていた福島東だった。前半27分、MF齋藤海波のパスを受けたエースFW渡辺賢太がカットインからのミドルシュートを狙うと、これがDFに当たってゴールイン。「ずっと押し込まれていたので、まず1本(シュートを)打っておこう」と思ったという開き直った一撃が、試合を動かすこととなった。後半も「なぜ失点しなかったのか分からないくらい」(斎藤克幸監督)という内容になったが、DF須田大輔らが必死に相手ボールを跳ね返し、数で劣りながらも熱さと創意工夫で背中を押す応援団の声も受けて逃げ切りに成功。1-0で勝ち切ってみせた。

 今大会の福島東を語る上で、先制点にもつながった「開き直り」のマインドは外せないキーワードだ。何せ今季の福島東は「本当に勝てなかった」(渡辺)。所属するF1リーグ(U-18福島県リーグ1部)では、6節を終えてまさかの勝ち点ゼロの最下位。県予選に入る前の地区予選でも福島南高に敗れ、敗者復活トーナメントから上がってきたというまさにギリギリの勝ち残りだった。「落ちるところまで落ちたというか、本当に眠れないくらい悩んだ」(渡辺)というドン底にあった。

 原因は、いわば産みの苦しみにあった。今年度からチームを率いる斎藤監督は、かつて仙台の黎明期を支えた元プロ選手。就任早々から「何とか選手たちを上手くしてやろう。引き出しを増やしてやろう」(斎藤監督)と、選手たちに新しい挑戦を促した。それまでは「ボールを持ったら、まず裏に蹴る」(渡辺)とシンプルなスタイルを志向していたところに繋ぎの部分を要求するなど、サッカーの幅を広げにかかった。ただ、判断を求められるサッカーは一朝一夕に身に付くものではない。結果が着いてこないゆえに迷いも生まれて、チームには混乱も生じた。

 県予選を前にして、斎藤監督は「一歩引くことにした」とリーグ戦とは少し違う戦い方を選択。キーワードは「開き直り」で、「まず自分の得意なプレーをやりなさい」と選手たちに促した。ドリブルが得意ならまずドリブルで仕掛けること、走るのが得意な走ることを徹底する。要求をシンプルにして、「理想とするサッカーにはほど遠いけれど、勝つことで自信を付けさせてあげたかった」(斎藤監督)と考えを変えた。

 ただ、別に何かをあきらめたわけではない。チームのOBだけに「本当に福島東を強くしたい。心底なんとかしたい」という思いに揺らぎはない。そのためにも「一番はたくましくなってもらいたい。すぐに答えを『教えてもらいに来る』選手ではなく、自分で考える選手になってほしい。社会に出て行ってからも、つらいことから逃げるような人間にはなってほしくない」というのが指導の根幹にはある。目指すは「とことんまで追い込まれたことで、少し生命力がついた」選手たちと共に成長していくこと。もしかするとこの大会は、名門復活の序章として語り継がれることになるかもしれない。

(取材・文 川端暁彦)

最終更新:6月5日(日)8時48分

ゲキサカ

スポーツナビ サッカー情報

海外サッカー 日本人選手出場試合

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]