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[総体]「どんなチームになっていくのか楽しみ」な尚志が、学法石川に“苦しみながらの大勝”:福島

ゲキサカ 6月5日(日)10時22分配信

[6.3 総体福島県予選準決勝 尚志高 4-0 学法石川高 鳥見山多目的広場]

 平成28年度全国高校総体「2016 情熱疾走 中国総体」サッカー競技(広島)の福島県代表1枠を巡る戦いは、6月3日に準決勝を迎えた。大本命と目される尚志高に挑んだのは、着実に力を付けて昨年の高校選手権福島県予選では尚志をPK戦敗退の危機にまで追い詰めた学法石川高。尚志側は一片の油断もなしに、この決戦に挑んでいった。

 もっとも、そうした心構えが必ずしもポジティブに作用するばかりではないのが勝負の妙である。立ち上がりは尚志の仲村浩二監督が「あ、あれ? どうしちゃったんだ?という感じ」というほど、尚志の攻撃のリズムが噛み合わない。中と外のバランスが悪く、キーマンであるボランチの神垣陸を経由する攻撃は数えるほど。速攻を受けるリスクを避けるというのはある程度狙いどおりだったと思われるが、それにしても極端に過ぎた。

 これも学法石川が徹底して守備を固めてきたからこそ、という面もある。前線の2枚を除いてしっかりとブロックを作り、尚志の攻撃をしっかり受け止め続ける。昨年の選手権予選決勝でもゴールを奪っているエースFW安部光留を負傷で欠いている中、割り切って守備からのカウンターに徹する構えは序盤から奏功していた。スキルと戦う姿勢を兼ね備えた好選手のMF猪俣勇気を中心に、30分近くまで尚志の攻撃をいなし続けることに成功した。

 このまま前半35分間をしのぎ切られるようなら、「危なかったと思う」(仲村監督)のは衆目の一致するところ。だが、それをさせない個の力が尚志にはあった。29分、相手DFの一瞬の対応ミスからPA内へと落ちてきたボールを見逃さなかったのは、9番を背負うFW渡部公平。相手DFを背中に置いた状況から巧みに反転。鮮やかにゴールネットを揺らし、試合の流れをも揺り動かした。さらに前半終了間際には、波状攻撃から右SBの常盤悠が「ずっと練習してきたシュート」である中距離弾を突き刺して、2-0。この追加点で勝負の流れは決した。

 後半はボランチの神垣がボールを引き出して散らしてリズムを作る、本来のスタイルで学法石川を押し込んでいく流れとなる。後半9分に10番を預かる2年生MF加野赳瑠が華麗に決めて3点差とすると、アディショナルタイムには交代出場のFW井上真冬が流れるようなボールタッチからのシュートを流し込んで、4-0。尚志が大勝で決勝進出を決めた。

 尚志は終盤にかけて次々と選手交代のカードを切り、主力選手もベンチに下げた。「いまはいろいろな選手をどんどん競わせている段階」と指揮官が語るように、まだまだチームとしての成熟度は高くない。経験値のある選手もそう多くないが、交代選手の質の高さを見ても選手層の厚み、ポテンシャルを持ったチームであるのは間違いない。東北高校サッカー新人大会で青森山田高を破って優勝したことで「自信がついて変わった部分がある」という選手たちについて仲村監督は「どんなチームになっていくのか僕自身も楽しみなんです」と笑う。第90回高校サッカー選手権大会での4強入りを観て入学を決めた選手も多い尚志。今季はその再現と、さらに先を目指す挑戦の年になる。

[写真]前半終了間際、常盤のゴールを喜ぶ尚志イレブン

(取材・文 川端暁彦)

最終更新:6月5日(日)10時22分

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