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社説[与党が過半数堅持]基地への拒否感根強く

沖縄タイムス 6月6日(月)5時0分配信

 2014年12月に就任した翁長県政の「中間評価」と位置付けられた県議選。結果は辺野古新基地建設でぶれない翁長雄志知事の姿勢を後押しするものだった。
 任期満了に伴う第12回県議会議員選挙(定数48)は5日投開票され、翁長知事を支える県政与党が引き続き過半数を堅持した。
 改選前の議席数(欠員2)は46議席で、議長を除き与党が23議席、野党・中立が22議席だった。与党は各選挙区で善戦し改選前の議席に上積みした。
 政府と対峙(たいじ)する翁長知事にとって、県議会の後ろ盾を得た意義は大きい。14年の名護市長選、県知事選、衆院選で示された県内潮流が大本では変わっていないことをあらためて裏付けた。
 女性遺体遺棄事件が起き、反基地感情が高まる中、与党側は辺野古新基地建設に明確に反対を表明。野党側は辺野古を含むあらゆる可能性を追求するとし、争点ぼかしの「あいまい戦術」をとった。宜野湾市長選のときの戦術を踏襲したのである。
 米軍の綱紀粛正と再発防止策に実効性がなく、日本政府が決めた応急対策にも県民から疑問が噴出した。
 投開票前日には米海軍二等兵曹の女が酒酔い運転で国道58号を逆走し車両2台と衝突する事故が発生、道交法違反容疑で現行犯逮捕された。相次ぐ事件・事故の発生によって県民の怒りはかつてないほど高まっており、それが選挙結果に影響したものとみられる。
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 今回の県議選については与野党とも、7月10日投開票の参院選の前哨戦と位置付け、重視していた。
 翁長知事は告示前から候補者選考の調整に主導的に関わった。名護市区と宮古島市区では与党候補者の新旧交代を果たした。
 告示後も、当落線上にいると判断した候補者に対しては選挙区に複数回入るなど、強力に後押しした。
 自民党も国政並みの取り組みをした。テレビ、ラジオCMで経済振興や雇用対策を訴えた。
 子どもの貧困や待機児童問題などについては与野党が共通して訴え、有権者の関心も高かった。
 宜野湾市長選で敗北した「オール沖縄」陣営は県議選に勝利したことでその勢いを参院選につなぐ構え。過半数を制することができなかった野党は参院選に向け、取り組みの見直しを迫られることになりそうだ。
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 投票率は53・31%。前回12年の52・49%に比べ0・82ポイント上回ったことになる。
 復帰後の県議選で投票率が最も高かったのは1976年の82・28%。その後も70~80%台の高い投票率を維持してきたが、92年から毎回のように低下し続けた。
 今回の上昇をもって長期低下傾向に歯止めがかかったと判断するのは早計だ。
 新しい議会は「政策形成」「執行部監視」の機能を高め、住民との対話や情報公開などを通して住民との距離を縮めてもらいたい。投票率の低迷に議会上げて本腰で取り組むときだ。

最終更新:6月6日(月)5時0分

沖縄タイムス