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辺野古阻止へ「不屈」の系譜 沖縄県議選「オール沖縄」勢い

沖縄タイムス 6月6日(月)10時17分配信

 翁長雄志知事を支える「オール沖縄」に民意の風が吹いた。5日投開票された沖縄県議選で、県政与党が引き続き過半数を確保。「知事と一緒に辺野古新基地建設を止める!」。再び選挙で民意を示した喜びをかみしめつつ、政府と対峙(たいじ)する沖縄の行く末を見据えた。

<豊見城>瀬長さん「不屈」決意

 「わーっ!」。午後10時すぎ、豊見城市区の瀬長美佐雄さん(54)の当確の情報が入ると、選対事務所は歓喜の渦に包まれた。事務所の壁には、祖国復帰運動に奮闘した祖父・瀬長亀次郎氏直筆の「不屈」の文字。豊見城市区になって初の共産党議席獲得を果たした瀬長さんは、支援者にもみくちゃにされながら「オール沖縄の風を感じていた。不屈の戦いを実現したい」と決意を新たにした。
 同市区では現職2人に対し唯一の新人という厳しい戦い。昨年10月ごろから毎朝街頭に立ち「米軍基地の全面撤去」を訴えてきた。復帰前を知る市民と話す際には、祖父のことが会話の糸口となることもあったという。
 「不安はあった」と振り返った瀬長さんは「基地は許さないという思いに市民が賛同し、託してくれた。復帰時の不屈の戦いを島ぐるみとなって再度、実現したい」と力を込めた。

<宜野湾>宮城さん 社民議席奪還

 米軍普天間飛行場がある宜野湾市区では、新人の宮城一郎さん(49)が初当選。前回失った社民党の議席を4年ぶりに奪還した。
 当選の一報が伝わると、市上原の選対事務所では「うわーっ」と大歓声が巻き起こり、何度も万歳三唱。同じく与党から当選した新垣清涼さんの事務所にも歩いて出向き、2人で両手を突き上げて喜びを分かち合った。
 与党・野党・中立で分け合っていた議席が与党2、野党1の構成となり、市長選での敗北から盛り返した。
 宮城さんは「(新垣さんと)一緒に翁長知事を支える日を夢見てきた。オール沖縄で力を合わせ、ウチナーンチュが望む沖縄にしていこう」と力強く支援者に呼び掛けた。

<国頭>平良さん復活当選

 国頭郡区では、平良昭一さん(53)が返り咲きを果たした。午後10時すぎ、当確の一報が入ると、選対事務所は「トップ当選だ!」と歓喜に沸いた。
 前回選挙で苦杯をなめた平良さん。新基地建設反対や経済格差解消などの政策を一軒一軒回って訴える「どぶ板選挙」に徹した。「再度引き上げてくれたのは皆さんの力」と支持者に感謝し「責任を持って翁長雄志知事を支える」と意気込んだ。
 元海兵隊員で米軍属による女性遺体遺棄事件が発生した。返り咲きを果たし「これ以上、被害者を出したくない。政治の立場から闘っていく」と胸に誓った。

<那覇>「翁長県政の立役者」新風会2人落選

 翁長県政誕生の立役者となった那覇市・南部離島区の保守系会派「新風会」のメンバー2人は、どちらも涙をのんだ。
 山城誠司さん(54)=無所属=の事務所では、続々と他候補の当確が伝わると、重苦しい雰囲気が漂った。
 大手企業のバックアップを受けたが一歩及ばず、山城さんは「申し訳ございません」と何度も頭を下げた。「オール沖縄」勢力として、新基地建設の反対や沖縄の経済自立を政策に掲げたが「私の力不足。それ以外に理由はない」と唇をかみしめた。
 仲松寛さん(53)=無所属=も翁長雄志知事を支える「オール沖縄」の保守候補として、名護市辺野古の新基地建設反対の立場を明確に打ち出したが、当選には届かなかった。
 「翁長県政を支える保守の1議席を取るために努力したが、申し訳なく思っている。結果を真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。

最終更新:6月6日(月)15時7分

沖縄タイムス