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食料安保 日本が主導 G7、20農相会合

日本農業新聞 6月6日(月)12時32分配信

 食料安全保障をテーマに開かれた4月の先進7カ国(G7)、6月の20カ国・地域(G20)と続いた農相会合。農家所得の向上や農村の活性化、女性の活躍などを推し進め、食料安全保障の確立を目指すことで一致した。G7議長国として日本が主導したシナリオにおおむね沿って決着した格好だ。日本は今後、合意に基づき食料安全保障を率先して確立していく姿勢が厳しく問われることになる。

TPP対策 試金石

 「G7新潟農業大臣会合の成果を積極的に発信し、今回の成果につなげることができた」。3日、G20農相会合終了後に記者団の取材に応じた森山裕農相はこう強調した。

 今回の一連の農相会合では食料安全保障をテーマに、どこまで力強いメッセージを打ち出せるかが焦点だった。

 4月のG7新潟農相会合では、日本が議長国となって議論を主導。食料の安定供給に欠かせない「人」に焦点を当て、農業・農村を女性や若者を引きつける魅力あるものにするため、農家所得の向上や農村の活性化に取り組むことを確認していた。産業政策と地域政策の両方を重視する日本が描くシナリオ通りとなった。

 特に安倍政権が重視する女性の活躍については、日本が秋に国際会議を開いて集中的に議論することが決定。G7の今後の協力に道筋をつけた。5月のG7による主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも、農相会合の合意内容を首脳レベルで確認した。

 こうした合意内容は、新興国を含むG20農相会合の共同宣言にも盛り込まれた。その先の具体的な共同行動こそ打ち出すことはできなかったものの、中国やブラジル、インドなど影響力のあるG20の国々と共通認識に立てたことについて、農水省は「これまでの農政を一層強力に進められる」と意義を強調する。

 今回の一連の合意を主導した日本には、食料安全保障を率先して確立していく責任が生まれたことになる。8年前に日本で開かれた北海道洞爺湖サミットでも、食料安全保障の強化が日本主導で打ち出されたが、日本の食料自給率向上は、いまだ39%と先進国の中で最も低い。

 今後TPPによる関税引き下げなどで農産物輸入が大きく増えることも予想される。伊勢志摩サミットでは、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易体制を強化し、それを補完するものとして自由貿易協定(FTA)など「さまざまな貿易自由化の取り組み」を進めるとした。こうした貿易自由化の流れの中で、食料安全保障を確立していくためには、より一段と強力な取り組みが求められる。

 まず、その試金石となるのが、政府・与党がこの秋に打ち出すとしているTPPの中長期対策だ。TPPの影響で生産基盤が弱体化しないよう、農業者の経営安定策を打ち出すことが欠かせない。だが、政府には農協や指定生乳生産者団体制度に対して過度な改革を進めようとする動きもある。与党内からは「議長国として食料安保の確立を主導した日本の本気度が問われかねない」(農林議員)と急進的な改革論をけん制する声が出ている。

日本農業新聞

最終更新:6月6日(月)12時32分

日本農業新聞

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