ここから本文です

<北朝鮮内部>「やってられない」と農村動員に不満続々 支援者の食事負担巡り農場と農民が対立 富裕層の子は賄賂で動員忌避

アジアプレス・ネットワーク 6月6日(月)15時59分配信

全国民を数か月に渡って緊張させ、疲れさせた労働大会が終わったのも束の間、北朝鮮では全国で農村動員が始まっている。雑草取りや田植えなどの奉仕労働に中学生から幹部までが動員されるのだが、動員される都市住民だけでなく、受け入れる農場員たちも負担が多く不満が募っているという。(カン・ジウォン)

【関連動画を見る】 農村動員現場映像。不満を吐露する住民たち

まず5月末に連絡があった取材協力者に内部の雰囲気を聞いた。彼は農村近くに住む都市住民だ。
――農村動員が始まったが。
5月20日から全国的に農村動員が本格的に始まった。今農村でもめているのは、 動員されてやってくる学生たちの食べ物を誰が負担するのかということだ。農場員には不満が多い。

――どんな不満がありますか?
農場に支援に来た学生らに出すおかずや汁を農民が負担しろというのだ。農民個人が担当する畑を手伝ってくれる分ならともかく、国家の畑の作業をする支援者たちの分まで農民に出せと言うわけだ。負担が大きいので、農民たちはずっと村の党委員会に問題提起していてるのだが…。支援に来る者だけが飢えている。以前は協同農場の責任で支援者たちに対するおかずや汁を負担してきたのに。
※主食は支援者が持参するのが一般的で、その負担も小さくないという。 

――動員されて来る学生や生徒たちはちゃんと働くのか?
農村に来て、ただ時間をつぶしているだけだ。そもそも動員に来ている(中学生)はクラスの3分の2程度だ。裕福な家の子供たちは、親が金を出して動員から抜けさせている。貧乏な子供たちだけが来て作業するのだが、いったいどれほど仕事をすると? それに、(学生には)泥棒するのが多い。 最近では、鶏やウサギよくいなくなる。毎日のように(支援者に)盗まれてもって行かれる。

――農村動員期間になって社会的の雰囲気はどうか?
私たちも、毎朝野菜畑の草取りに動員されている。もう、やってられないです。

――住民統制はどうですか?
取り締まりは厳格だ。街を歩いていても 「農村動員の時期なのにどこに行くのか?」と監視隊に言われる。清津市では、市場の運営時間外に街中にいると、無条件に検束されて畑に送くられている。それで、昼間の街中は閑散としているそうだ。

取締りの厳しさについては、他の取材協力者も不満を口にする。6月初めに報告をくれた北部地域の住民は、今の雰囲気を「怖い」として、次のよう述べた。
「道を歩いていると、『農村にも行かず何をしているのか』と監視隊に止められ持ち物検査をされる。ポケットやかばんの中をひっかきまわされるのだが、中国の携帯電話なんか出てきたら刑務所送りです」
という。

北朝鮮の住民たちは、今年に入りずっと政治集会や労働動員に駆り出されており、疲労と不満がたまっている。


※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮内に投入し連絡を知り合っている。

最終更新:6月6日(月)15時59分

アジアプレス・ネットワーク