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川重、3年後に鉄道車両事業でかつてない規模を狙う

ニュースイッチ 6月6日(月)7時50分配信

アフターサービス伸長がカギ

 「2018年度は今までにない事業規模となる」―。川崎重工業で鉄道車両などを担当する車両カンパニーの小河原誠常務執行役員は、期待感をあらわにする。18年度は受注・売り上げとも、大台の2000億円に設定し、15年度に比べ売上高約4割増、受注高約5割を伸ばす方針。小河原常務は「現段階で売上高、受注高とも半分はすでに見えている」と強調する。横ばいだが一定の需要が見込める日本をベースに、成長市場の北米・アジアで積み上げを狙う。

 世界の鉄道市場の本丸は、約5割を占める欧州と言われる。ただここは、独シーメンス、仏アルストム、カナダ・ボンバルディアという“ビッグ3”の主戦場。日本勢では日立製作所が英国で攻勢をかけているが、小河原常務は「欧州はハードルが高い。あえて行かなくても、北米やアジアにまだ魚はいる」と、冷静に市場を見つめる。

 川重がボンバルディアに次いで、第2位のシェアを持つ米国市場。北東回廊(東海岸)に強く、4000両を超える納入実績を持つ。未行使オプションを含め約29億ドル(約3161億円)の豊富な受注残もあり、ヨンカース工場(ニューヨーク州)やリンカーン工場(ネブラスカ州)では高い稼働率を持続し、「25年まで安定した運営が可能」(小河原常務)としている。

 さらにアジア市場では、トップシェアを誇る台湾、シンガポールでの収益拡大とともに、インドやミャンマー、バングラデシュといった新興国市場の深耕を重点施策に位置づける。15年度の地域別売上高比率は、日本35%、北米30%弱、アジア30%強と、バランスが取れているのも特徴だ。

<まず北米をターゲットにM&A戦略描く>

 新中計では全社で掲げるROIC(投下資本利益率)経営への貢献に向け、メンテナンスや更新工事、保守部品などのアフターサービスに本格的に力を入れる。事業ノウハウの取り込みには、M&A(合併・買収)やアライアンスで臨む。小河原常務は「(アフターサービス向けの)M&Aはかなり意識している」と明かす。まずは北米をターゲットにM&A戦略を描く。

 鉄道サービスが後進の新興国では、車両を含む鉄道システムのパッケージ提案が強力な武器となる。鉄道システムは地域の有力企業と連携し、市場開拓を狙う。「持たざる者の強みをいかんなく発揮したい」(同)。

 川重の強みはなんと言っても、航空機なども手がける総合重工メーカーであること。各事業部門や研究開発部門との技術シナジーを加速させ、次世代高速車両の開発では主役の座を狙う。

最終更新:6月6日(月)7時50分

ニュースイッチ

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