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【ラグリパWest!】なぜ常翔学園出身の大学主将が多いのか?

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン) 6月6日(月)13時1分配信

 今年は大阪・常翔学園出身の強豪大学主将が多い。
 関西AリーグではLO山田有樹(同志社)、SH高島理久也(立命館)、FL高本大志(関西)、CTB木下亮太(摂南)。8チーム中、半分の4を数える。関東ではFL桶谷宗汰(明治)、SH坂本泰敏(法政)。副将ではセブンズ日本代表でもあるWTB松井千士(同志社)、FB別府太一(立命館)がいる。
 なぜたくさんの幹部が出るのだろうか。

やっぱり「3」が好き。具智元、サンウルブズの試合がない時は拓大のゲームで

(1)全国大会V学年
 常翔監督・野上友一はまず口にする。
「彼らは優勝メンバー。個人的にしっかりしとったんやろね」
 この学年は2012年度の第92回全国高校大会で、チームを歴代5位タイとなる5回目優勝に導いた。決勝で奈良・御所実を17-14で降す。
「あの代はキャプテンの目を持っているやつがようけおった。だから、気の利いたことが起こって勝てたんちゃうかな。サポートに回るやつがおったからね」
 野上は山田に主将を任せていた。
「あいつはなんでも一生懸命する」
 社会科教員でもある野上は、プレーももちろんだが、取り組みを重視して選ぶ。
 山田は同志社でも舵取り役になる。監督の山神孝志は説明する。
「しゃべれる奴ならいっぱいおるけど、山田は先頭に立ってやれるんよ。1年から公式戦全試合に先発出場してるんも大きい。同級生からの信頼もすごかった。圧倒してたしね」
 山神の常翔卒業生への評価は高い。
「基本的なトレーニングができている。スクラムも間違いない。しっかり組んできてる。性格的に素直な子が多いよね」
 素直は従順さに置き換えられる。首脳陣にとっては歓迎される資質である。

(2)新旧監督の教え
 野上を指導したのは荒川博司。常翔の前校名・大阪工業大学高校を全国トップレベルに引き上げた。野上は振り返る。
「荒川先生の教えは、『ベストで行け、一生懸命やれ』でした。それが今でもある」
 山田への野上、山神評はその教えが生き続けていることを示している。
 荒川の口癖は、常翔のスローガン、「ベストラグビー、クリーンラグビー」となり残る。思い出をつづった小冊子・協心も年度ごとに発刊され続けている。表紙は紺に赤線が2本。ジャージーの色だ。
 野上は2011年度から指導方針を「自主性の尊重」に変えた。優勝する1年前だ。ニュージーランドに遠征し、現地でのコーチングを見て、高圧的な部分を取り払う。
 同志社主将の山田は変化を忘れない。2年生の時だった。
「先生は練習にあまり口を出さなくなりました。メニューは基本的に自分たちで考えます。先生はそれをじーっと見ていて、質が悪くなれば、声をかける感じです。前は『パスは絶対両手で放れ』と言っていたのが、『通ったらええわ』になりました」
 自主性を掲げ、勝ち続けるためには、部員個々の考えやラグビーへの向き合い方が深化しなくてはならない。それは、十代の若者に首脳陣の視点を持たす助けになる。

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最終更新:6月6日(月)13時1分

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)