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バイオでヤシ林保護 ニッポンジーン(富山)がパプア政府支援

北日本新聞 6月6日(月)0時39分配信

■病害診断キット無償提供

 ヤシ林の枯死被害が深刻化しているパプアニューギニアで、政府が国家プロジェクトとして進める保護や伐採などの対策を、富山市問屋町のバイオベンチャー企業「ニッポンジーン」が支援することになった。原因とされる細菌に感染しているかどうかを現場で確認できる検出キットを開発し、無償提供する。今後は社員も派遣して使い方を指導する。政府の招きで7日に現地を訪ねる米田祐康社長は「培ったバイオ技術を生かし、環境保護に貢献できればうれしい」と話している。(経済部・高木健成)

 パプアニューギニアでは近年、自生や農園栽培のヤシの葉が落ち、木が枯死する被害が広がっている。原因は病原細菌「ファイトプラズマ」とみられるが、この菌は病状が進まないと感染の有無が分かりにくい上、治療法も確立されていない。

 ヤシは同国経済を支える重要な作物で、栽培面積は10万ヘクタール超とされる。マーガリンやせっけんの原料となるパーム(ヤシ)油の生産量は2004年時点で世界第6位となっており、日本など各国に輸出している。自生でも多様な品種が各地に生い茂り、実の一部は市民の食料になっている。

 ニッポンジーンは長年、細菌やウイルスの遺伝子情報を基に、植物が感染しているかどうかを調べるキットを手掛けてきた。同社のホームページが、枯死被害の対策を検討していた同国研究機関の研究員の目に留まり、キット開発の打診を受けた。

 同社がこれまでのノウハウを生かして開発したキットは、採取した樹皮の一部などに特殊な薬剤を加えることで、専用設備がない屋外でも1時間前後で感染を見分けられる。既に400セットを送り、有効性を確認した。

 同国政府は今後、正常と確認できたヤシの木を離島に移植して保護するほか、感染していた場合は伐採し、拡大を食い止める方針という。同社は要請に応じキットを提供するとともに、現地に社員を派遣し、研究員や調査員らにキットの使い方を指導する。7日には現地で、対策開始の式典が開かれる。

 同社によると、ヤシの枯死被害はパプアニューギニアだけでなく、タイなど東南アジア地域一帯で確認されているという。米田社長は「さまざまな資源を輸入している日本にとっても重要な問題。各国から要請があればしっかり対応していきたい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:6月6日(月)0時39分

北日本新聞