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米国との結び付きが強く、エネルギー関連の輸出に強み カナダ・ドル

THE PAGE 6/8(水) 7:00配信

 カナダドルはカナダの通貨です。カナダは米国の隣国で米国経済との結び付きが極めて強いことで知られています。一方、カナダは資源が豊富な国であり、資源国として見なされるケースもあります。カナダドルの動きを分析する際には、これら2つの側面を理解しておく必要がありそうです。

輸出の3割はエネルギー関連

 カナダは、米国と北米自由貿易協定(NAFTA)を結んでおり、関税など貿易に関する障壁が軽減されています。したがって、グローバルに見た場合、カナダと米国は一体化された市場という認識です。1人当たりの国内総生産(GDP)は欧州主要国並みとなっており、活発な内需経済を持った豊かな先進国のひとつです。

 2015年の実質GDP(国内総生産)成長率は1.2%、16年の見通しは1.5%です。米国に比べると、多少、成長率は低いですが、基本的には堅調な経済が続いています。失業率もほぼ完全雇用に近い状況といってよいでしょう。

 カナダには、米国に近い先進国というイメージがある一方、資源国としての側面もあります。カナダは1日あたり430万バレルの原油を生産しています。これは米国の約4割の水準ですが、GDPが米国の10分の1しかないことを考えると、カナダにおける原油の存在感は極めて大きいといえるでしょう。カナダの輸出の約3割はエネルギー関連で占められており、資源価格の動向からはそれなりに影響を受けることになります。

取引量少なく価格が上下に振れやすい通貨

 米ドルは14年以降、利上げ期待から対円で上昇が続いていましたが、カナダドルは対円ではほぼ横ばいの状況でした。これは割安になりがちな資源国通貨と、米国経済圏としての通貨の両方の性質を持っていることに起因する動きと思われます。

 カナダのインフレ率は、15年は1.1%、16年は1.4%の見込みです。成長率は米国より低めですが、インフレ率は米国より高めとなっています。ただカナダ中央銀行は、景気対策を優先し、政策金利を米国と同じ0.5%に据え置いていますから、カナダドルは金利の面では魅力的ではありません。

 またカナダドルは取引量が少なく、価格が上下に振れやすいという特徴があります(ボラティリティが高い)。動きに明確な特徴がなく、ボラティリティが高いという点で、どちらかというと熟練者向きの通貨かもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/8(水) 7:00

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