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2016年最大規模の新規株式公開 LINE上場で日本の株式市場は活気づくのか

THE PAGE 6/9(木) 7:00配信

 対話アプリのLINEが7月にも東京証券取引所に上場する見通しです。同社は2014年に東証に上場申請をしていたのですが、親会社である韓国ネイバー社と上場方針を巡って意見の食い違いがあり、2度にわたって上場を延期したという経緯があります。

 また今年の4月にはゲームで使用するアイテムを巡って関東財務局から立ち入り検査を受け、一部から上場を危ぶむ声も出ていました。ここにきて、ようやく念願の上場にこぎ着けたわけです。

上場時の時価総額は6000億円に達する見込み

 上場時の時価総額は6000億円に達する見込みで、今年の新規株式公開(IPO)としては最大規模になります。しかし、同社が当初、上場を予定していた2014年であれば時価総額は1兆円を超えていたとの予測もあり、最適なタイミングを逃してしまったという印象は否めません。

 こうした状況は、同社の業績を見るとよく分かります。直近の決算である16年1~3月期の売上高は341億円で前年同期比21%増となっています。しかし15年1~3月期における前年同期比は70%増でしたから、売上高そのものは拡大しているものの、伸びは大幅に鈍化しています。利用者の動向も同じです。16年3月末時点での月間アクティブユーザー数は2億1840万人でしたが、前年度と比較すると伸び率は鈍化しました。同社には収益を拡大する余地はまだまだありますが、現在のビジネスモデルとしてのピークはやや過ぎたという印象です。

今後の成長のカギを握るのは?

 今後の成長のカギを握るのはやはり海外市場でしょう。同社における利用者数の約7割は、日本、タイ、台湾、インドネシアに集中しています。日本での利用者拡大余地は限られていますが、上場で得た資金を海外市場に振り分ければ、同様の成長を続けることは不可能ではありません。上場後の関心は、同社の海外戦略に集中することになるでしょう。

 また、株式市場では同社の上場をきっかけに、LINEスタンプなど関連事業を手がける企業の株価上昇も期待されているようです。しかし、こうした関連銘柄も含めて持続的に株価が上昇するのかどうかは、何ともいえません。その理由は、LINE本体の業績とは関係なく、日本の株式市場には逆風が吹いているからです。

 今年に入って進んだ円高によって輸出企業の業績は軒並み下方修正となっています。また、先週発表された米国の雇用統計は予想外に悪い数字で、米国は追加利上げがしにくい状況となりました。米国の利上げが遅れると、円高が定着する可能性が高くなってきますから、日本の株式市場にはマイナスです。市場全体が低迷してしまうと、いくらLINE効果が大きいといっても、関連銘柄が持続的に上昇することは難しいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/9(木) 7:00

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