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堂本剛のブラック感、AKBグループの恋愛禁止ネタ……。5月の「ミュージックステーション」で見えたこと

M-ON!Press(エムオンプレス) 6月7日(火)18時7分配信

音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。

[前編]では三浦大知やモーニング娘。’16などについて取り上げましたが、[後編]は男性シンガーふたりについての話題からどうぞ。



ブラックミュージックとの付き合い方(1):平井 堅
近頃「最近はブラックミュージックがブーム」なんてことがよく言われますね。大半のポップミュージックに黒人音楽の影響はあるのでこの辺の説明はもっとていねいにすべきではあるのですが、今月のMステの出演者をそんな観点から見るとそういった世の中の流れに対してどう向き合っているかが垣間見えて面白かったです。

27日に出演した平井 堅が披露したのはドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」の主題歌になっている「Plus One」。平井 堅と言えば美声を聴かせるバラードのイメージが強いですが、一方では腰を揺らしたくなるようなダンスナンバーにも積極的にトライしています。

ゆっくりめのBPMと細かく刻むリズムでダンサブルな雰囲気を出している「Plus One」のトラックは最近の海外のR&Bとのリンクを思わせるもので、ほんの数年前によく言われていた「日本の音楽シーンはガラパゴスで海外と断絶している」なんていう言説がいつの間にか無効になっていることを感じさせます。



ブラックミュージックとの付き合い方(2):堂本 剛
27日に出演した堂本 剛が聴かせたのは、「リアルタイムの」というよりは「より古典的な」ブラックミュージックの影響下にある楽曲。

新曲の「T & U」(曲前のトークでタイトルについて「剛とあなた」の意であることを明かしていました)は、コーラスやホーンも含めた大所帯のバンドを従えてのストレートなファンクナンバー。この人も音楽性がかなり変遷していますが、彼の根底にこういうファンクがあることは間違いなさそうです。

ちなみにバンドメンバーにはDragon Ashにも参加しているRIZEのKenKenがいて、放送時には一時的にツイッター上で話題になっていました。



「恋愛禁止」ってなんだろう(1):SKE48
6日に出演したSKE48が披露したのが新曲の「チキンLINE」。直接会って告白できないからLINEで気持ちを伝える男に対して発破をかける歌です。「メール」じゃなくて「LINE」が出てくるところも含めて世界観が今どきですね。

女子目線の曲なので歌っている当人たちの気持ちとも聞こえなくもないのですが、48グループを貫く「恋愛禁止ルール」と照らし合わせるとメンバーはこういう経験をしたことがあまりないはずなので(あくまで建前上の話ですが)いろいろと複雑な気持ちになります。

ここ最近、欅坂46「サイレントマジョリティー」の“大人たちに支配されるな”という歌詞に対する「(ある意味では「大人たちに支配」されている)アイドルグループにそんなことを歌わせるのか」という批判や、HKT48「アインシュタインよりディアナ・アグロン」に関する女性蔑視を巡る論争など48/46周りの曲の歌詞が何かと物議を醸していますが、そもそも何年も前から「恋愛禁止のグループにラブソングを歌わせている」という時点で「その曲に“リアルなメッセージや思想”なんてものは込められていない」というスタンスに立ったほうが良いのかもしれません。



「恋愛禁止」ってなんだろう(2):AKB48
SKE48のメンバーも多数参加する「AKB48 45thシングル 選抜総選挙」の投票がすでに始まっていますが(総選挙の見どころはこちらの記事で)、その投票権が付与されているのがシングル「翼はいらない」。

27日のMステではAKB48が出演してこの曲を披露しました。今回の楽曲はフォークソングや歌謡曲を基調にした懐かしいテイストになっていて、ミュージックビデオにも学生運動を思わせるモチーフが登場しています(同じく素朴な雰囲気の楽曲「365日の紙飛行機」の評判が良かったことが大いに影響しているように思えます)。

センターを務めるのは「真の次世代エース」と言っても良さそうな向井地美音。トークパートでは彼女の子役時代のエピソードが紹介されていましたが、この日のトークで最も面白かったのは西内まりや「Chu Chu」前に行われた平井 堅と指原莉乃の会話。

平井 堅の「女性はお伺いを立てられるのが好きな動物の気がする、「君のとなりに座っていい?」とか」という発言に対してさっしーが「それはわかるけど、“キスしてもいい?”という確認は嫌な感じがする」と返したところ、平井は「言われたことあるの?」と応戦。

さっしーは「ありません、恋愛したことないのでないです」と冗談っぽいニュアンスで返していましたが、この人の過去のスキャンダルはすでに誰もが知る話であり、彼女が「恋愛禁止」という「ルール」を「トークのためのネタ」として完全に自分のものにしていることがよくわかるやり取りでした。

最近はグループのバラエティ番組でも「過去のモテエピソード」や「理想の彼氏」といったテーマを扱うことが増えている印象がありますが、このまま「恋愛禁止」ルールをなし崩し的に無力化していこうという狙いもあるのでしょうか? このあたりはアイドルカルチャー全般に関わってくる話なので、この先も注視していきたいと思います。



今度のMステは6月10日。すでに出演者が発表になっていますが、個人的には乃木坂46の新曲「きっかけ」を楽しみにしています。それでは次回の配信もよろしくお願いします!



【2016年5月6日放送分 出演アーティスト】

家入レオ「僕たちの未来」

Sexy Zone「勝利の日まで」

RADIO FISH「PERFECT HUMAN」

aiko「もっと」

T.M.Revolution「HOT LIMIT」

三浦大知「Cry & Fight」

SKE48「チキンLINE」

【2016年5月13日放送分 出演アーティスト】

西野カナ「あなたの好きなところ」

Hey! Say! JUMP「真剣SUNSHINE」

Dream Ami「トライ・エヴリシング」

工藤静香「嵐の素顔」「Without Your Love」

嵐「I seek」

【2016年5月20日放送分 出演アーティスト】

きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」

A.B.C-Z「Take a “5” Train」

back number「僕の名前を」

aiko「信号」

DAIGO「K S K」

嵐「Daylight」

【2016年5月27日放送分 出演アーティスト】

きゃりーぱみゅぱみゅ「CANDY CANDY」「にんじゃりばんばん」「もんだいガール」「ファッションモンスター」「5iVE YEARS MONSTER」

モーニング娘。’16「泡沫サタデーナイト!」

森山直太朗「嗚呼」

西内まりや「Chu Chu」

平井 堅「Plus One」

AKB48「翼はいらない」

ポルノグラフィティ「THE DAY」

堂本 剛「T & U」

最終更新:6月9日(木)14時48分

M-ON!Press(エムオンプレス)