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外交を舞台裏で支える 通訳・リエゾンの国吉真理子さん【アクロス沖縄】

沖縄タイムス 6月7日(火)11時18分配信

 サミットイヤーの今年、首脳会談を前に列島各地で開かれた複数の大臣会合にリエゾン(連絡調整役)として関わった。
 会合の段取り、マスコミインタビューの調整、食事の好き嫌いはあるかどうか…。参加国大臣の付き添いスタッフと日本政府の間で、滞在中の全ての日程を支障なく終えるため裏方として奔走した。「臨機応変に対応する緊張感が好き」と、仕事の魅力を語る。使ったノートには、外交儀礼を踏まえた英語まじりの細かなメモがつづられ、現場対応の慌ただしさがうかがえた。
 米国留学から帰国した1991年、在日インドネシア大使館で大使秘書を務めたのを皮切りに、通訳やリエゾンとして数多くの国際舞台を踏んできた。「まだまだ勉強不足」と話すが、担当した外国の首相から帰国時、そのプロフェッショナルな仕事ぶりに対し、直々に感謝状を贈られたこともある。
 最も印象に残っている人物はケニアの環境保護運動家でノーベル平和賞も受賞した故ワンガリ・マータイさんだ。亡くなる2011年まで7年間、マータイさんの同行通訳を務めた。母娘のような心通い合う関係でもあった。
 「モッタイナイ」を世界に広めたマータイさん。最初はその日本語に含まれた意味の解釈に迷っていた。二人で対話を繰り返し、「感謝の気持ちがある」と悟った。信頼は深まり、的確に真意を伝える通訳ぶりに「シー・イズ・マイ・マウス(彼女は私の口よ)」と最大の賛辞を受けた。「最高にすてきな人に出会えた。今も勇気と励みになっている」と語る。振り返って思う。「沖縄の人はリエゾンに向いている」と。ゆったり、パニックに陥らないタイプに適性がある。郷里の若者にエールを送る。「可能性を広げチャレンジしてほしい」(東京報道部・宮城栄作)

 くによし・まりこ 1968年生まれ。那覇高校、沖縄キリスト教短期大学、米・ノースウエスタンカレッジを卒業。インドネシア大使館で大使秘書を務めながら、外交儀礼を学ぶ。マータイさんら外国要人の通訳やリエゾンとして活躍。WUB東京事務局長も務める。

最終更新:6月7日(火)11時18分

沖縄タイムス