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『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の世界(3) “これぞ『スター・ウォーズ』の世界だ!”という想い出を可能な限り再現している

ファミ通.com 6月7日(火)18時30分配信

文・取材・撮影:編集部 古屋陽一

●「映画の世界観を忠実に再現している」
 ワーナー ブラザース ジャパンより、2016年10月13日発売予定のプレイステーション4、プレイステーション3、プレイステーション Vita、Wii U、ニンテンドー3DS用ソフト『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。ここでは、同作を手掛けたリード・ストーリー・デザイナー グレアム・ゴーリング氏とシネマティック・アニメーション・ディレクター フィル・グレイ氏へのインタビューをお届けしよう。

[『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の世界]
※(1)“真の”『スター・ウォーズ』体験の実現を目指して“レゴ ゲーム”はここまで進化する
※(2)本作は『スター・ウォーズ』史上最高のゲームになる! TT Gamesのキーパーソンも大きな手応え

――『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』ではどのような役割を?

フィル グレアムは、インゲームのスクリプトとダイアログを担当しています。僕は同僚のディレクターとともに、カットシーンを手掛けていますよ。どちらも、デザイナーが求めているものに基づいて作業をしています。カットシーンで言うと、「ストーリーのこの部分はゲームプレイのパートではやらないので、君のところでやってもらえないか?」と言われる箇所を担当することもあれば、ゲームプレイの中の一部となるような箇所を作ることもあります。

グレアム 重要な点だと思うのは、映画に忠実に作っていくということですね。とにかく『スター・ウォーズ』なので、ファンの皆さんがとても大切に思っている作品ですから。もっとも優先しなければならないことは、「オリジナルの素材に忠実に!」ということです。それと同時に、ファミリー層にとっても娯楽性の高いものにするために、なるべく広がりのある内容にする必要があります。「ファミリー層にふさわしいものを!」というのも再優先事項でしたね。

――カットシーンでも“オリジナルに忠実に”という点は変わらない?

フィル そうですね。僕たちの部署で働く誰もが『スター・ウォーズ』の大ファンなんです。そして、誰もが「映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』がすばらしい作品でありますように!」と願っていました。今回、私たち(TT Games)がゲーム版の開発を手掛けているわけですが、映画がすばらしいものになりそうだと感じられれば感じられるほど、高揚感が高まっていきましたね。開発者どうしても、「Xウイングのこの部分をもっと恰好よくしよう」とか「このドロイドをもっとこんな風にしてみよう」といったふうに、より力が入りました。

――映画がゲームのクリエイティビティーにインスパイアを与えたんですね?

フィル そうですね。中でも、BB-8は僕たちにとって、まるで贈り物のような存在でした。

グレアム スタッフのあいだでもBB-8は大人気だったね。

フィル 開発にあたっては、僕たち自身が子どものころ、「これこそが『スター・ウォーズ』の世界なんだ」と感じた当時の記憶そのままの、僕の想い出の『スター・ウォーズ』に近いものを作りました。僕たちの『レゴ ゲーム』のバージョンを、可能な限り当時の想い出の中にフィットさせていこうとしました。もちろん、グレアムが言った通り、“ファミリー層向け”ということはつねに意識していましたよ。

グレアム うん、そうだね。

――『スター・ウォーズ』はファンに愛されているコンテンツですが、『レゴ スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の開発にあたっては、『スター・ウォーズ』の共通認識みたいなものを共有されたのですか?

グレアム 開発陣の誰もが、『スター・ウォーズ』がいかに皆さんにとって大切な存在であるかということをよく理解していました。それは言うまでもないことで、僕たちのなかに『スター・ウォーズ』に対する共通認識はすでに共有されていたので、あえて話し合う必要はありませんでしたね。

――なるほど。以心伝心といったところですね。本作のスクリプトを作るにあたっては、映画に準拠した形だったのですか? それとも映画で足りない部分をフィルさんのほうで補って、ご自身が追加された部分もあるのですか?

フィル 基本は映画に忠実にやっています。カットシーンのすべてのセリフは、映画のオリジナル音声を使用しているんですよ。一方で、サイドクエストを追加しているキャラクターもいます。そういった追加は、“楽しめる寄り道”となりますね。ストーリー全体の流れに影響を与えるものではありませんが、これまでに制作されたすべての『スター・ウォーズ』映画に対するオマージュになっています。ファンの皆さんに発見してもらえるようなイースター・エッグ(ファンにとってうれしい隠しアイテムやメッセージのこと)や内輪ネタも満載ですよ。

グレアム アニメーション部門もおもしろいアニメをたくさん作っていて、たくさんのユーモアが織り込まれていますね。

フィル 映画のシーンをベースにしつつも、そこにさらにおもしろくておかしなことを上乗せしたりとかね。たとえば、シーンの背景でストーム・トルーパーがおばかなことをやったりとか。随所にユーモアを盛り込もうとしています。

――そういうギャグシーンで、「イメージを損ねるから」との理由で、ルーカスフィルムからNGが出ることもあるのですか?

フィル いえ。僕たちは“レゴ ゲーム”シリーズを長きにわたって手掛けているので、ファミリー向けのゲームとして何がふさわしいかは熟知しています。そして先ほどもお伝えした通り、私たちの誰もが『スター・ウォーズ』の大ファンなので、IPを台無しにするようなことは決してしません。『スター・ウォーズ』をリスペクトしていますからね。実際のところ、彼ら(ルーカスフィルム)といっしょに仕事をするのは最高でした。「これはいい! もっとやってくれ!」と言われました。

――スクリプト及びカットシーンで、「ここは見てほしい!」とか、「ここは力を入れた」という箇所があったら教えてください。

フィル 開発を始めたのは何ヵ月も前のことですが、不思議なもので、ある特定の箇所に関して忘れてしまうものなんです。ゲームを俯瞰していると、自分が手掛けたことであることを忘れて、「ああ、これはいい!」と思うんです。いつでも、その時点で手掛けている箇所が最高だと感じるもので、「これはいままでで最高のものになるだろう」とか、「これはおもしろいぞ。みんなのコメントを聞くのが待ちきれない!」と思うのですが、ふと、じつはそこまで作ってきたすべてがそうなのだと気付くんです。つまり、つまらないものはひとつも入っておらず、すべてがおもしろい。『スター・ウォーズ』関連であればなおさらで、あまりにも壮大な世界だからさまざなものを持ってこられる。少なくともカットシーンは、どれもが皆すばらしいものになっています。少なくとも、僕自身が演出した箇所は(笑)。

グレアム ストーム・トルーパーが登場するくだりはお馬鹿な感じにできるので、個人的には書いていて楽しかったですね(笑)。僕はお馬鹿なキャラクターを書くのが好きだからね。とにかくくだらないユーモアをたくさん盛り込むことができたのですが、そういうのは僕がもっとも好きなことです。

――ゲーム開発の初期段階では、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の内容がわからずに開発が進められたとのことですが、そういう開発スタイルでやりづらかった部分はありましたか?

フィル そのチャレンジは、デザイン部門が感じていたと思う。僕たちがやることは、すべてデザイン部門から指示されることだったので。デザイン部から「あるレベル(ステージ)を作っているところなんだけど、そこにはこれが必要だ」といったふうに言われるのですが、彼らがそのレベルをどのようなものにするか決めない限り、僕たちの部署の仕事はありません。つまり、僕がシナリオを書くのは、ゲーム開発のプロセスのかなり後のほうになります。僕たちの作業が開発の中でも後のほうにあるというのは、幸いなことです。僕たちが参加して、本格的に作業を開始するようになった段階では、映画の内容がどうなるかについて、かなり見えていました。

――本作には200人を超えるキャラクターが登場するとのことですが、もっともお気に入りは?

グレアム BB-8はとにかくかわいいと思います。アニメのキャラクターみたいでかわいい。

フィル BB-8はいいね。あとは、グラムガー! あいつはいいね。それからファズマもけっこう気に入っていますよ。

――せっかくの機会なので、改めてお聞きしますが、おふたりにとって『スター・ウォーズ』とは?

グレアム 僕にとって初めて映画を観た想い出はというと、クリスマスにテレビで家族とともに観た『スター・ウォーズ』でした。子どものころはとくに、切っても切れないコンテンツでした。その意味するところはあまりにも大きいです。『スター・ウォーズ』が、自分の人となりの中心となるものであることは間違いありません。

フィル 最初に『スター・ウォーズ』が公開された当時、僕はまだ映画館で映画を観られる年齢ではありませんでしたが、子どものころはおもちゃで遊んだり、映画を観たり……という想い出がありました。『スター・ウォーズ』のレゴが出たときは、ある程度お金が自由にできたので、自分用にたくさん買いました(笑)。僕の人生の重要な節目には、つねに『スター・ウォーズ』があったというわけです。

グレアム まるで僕たちのために存在してくれたかのようなコンテンツですよね。

最終更新:6月7日(火)18時30分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。