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セブン-イレブン、オムニ戦略じわり。鈴木前会長の方針をやり続ける

ニュースイッチ 6月7日(火)7時50分配信

今月中に接客ツール全店導入。受注件数6倍へ

 セブン―イレブン・ジャパンは、さまざまなサービスを連携する「オムニチャネル事業」で使う店舗用の“接客端末”を、6月中にも約1万8700店(2016年5月末現在)ある全店に導入する。端末を使い店頭で注文を受けたり、顧客先に訪問した注文を受けたりする。導入した店舗では、店頭の注文件数が増加するなどの効果が出ており、インターネットと店舗を融合したオムニチャネル化の有力なツールとなっている。ネットで注文して商品を店頭で受け取る件数も増加し、じわりとオムニ化が進展してきた。

<「リアルの店舗だけだと取り残される」(井阪社長)>

 接客端末は1店当たり1台を基本に、導入を進めている。端末のコンテンツは親会社、セブン&アイ・ホールディングス(HD)のショッピングサイトで、グループの百貨店や専門店の商品を扱う「オムニ7」の商品、グループ会社のセブン・ミールサービスが展開する「セブン―イレブン」の弁当やおにぎり、サンドイッチといった商材の外部販売用に扱う。

 利用法は例えば、クリスマスケーキの予約などを商品画像で顧客に紹介しながら受注したり、端末を持って顧客宅を訪問し、その場で受注したりなどだ。

 導入以降、店頭で接客しながら店内のどこでも受注できることもあって、導入前のレジで申し込む方式に比べ、店頭の受注件数は6倍に増加した。買い物に出られない顧客先に訪問し受注するなどで、売り上げ拡大に効果が出ているという。

 一方、“リアル”を軸としてネットにつなげる戦略では、グループ外の企業も含めネット通信販売で購入した商品を店舗で受け取れるようにしている。商品受け取りの際に、商品の“ついで買い”の効果があるためだ。セブン―イレブンの1日当たりの受取件数は、多い店舗で50件程度でジワジワと上昇しているという。

<ユニクロの数字から新たな発見も>

 中でもカジュアル衣料「ユニクロ」のネット購入商品の店頭受け取りは、全店舗の留め置き商品の7―8%に達しており「ブランドや商品が分かっているものは店頭受け取りのニーズがある」(井阪隆一セブン&アイHD社長)と新たな発見もある。

 セブン&アイHDは15年11月から、グループを挙げてオムニ化を進めている。だが、一部から「開始から半年が経つが、効果が出ていないのでは」などという指摘があるのも事実。

 これに対して、5月にセブン&アイHD社長に就任した井阪氏は「電子商取引(EC)はすでに、消費市場の8%の構成比になっている。今後、リアルの店舗だけだと取り残される」と分析する。

 その上で「これからはオムニの時代」などとして、オムニ化を強力に推進してきた鈴木敏文前会長の方針を引き継ぎ「今後もやり続ける」との方針を強調する。グループ中核会社のセブン―イレブンには今後、店頭端末の普及をテコにセブン&アイHDが目指すオムニ戦略の“推進役”に成長することが求められる。

<解説>
 1万8000店以上ある店舗とネットが結びつくことで、今後同社のオムニチャネルはどんな姿を見せてくれるだろうか。携帯端末は時にはコンビニが扱っていない商品の売り場となり、時には出張店舗として買い物が不自由な高齢者などに日常必需品の購買機械を提案することになりる。ネットとアナログ的な接客というプラスアルファを付加して顧客を拡大する戦略といえる。

最終更新:6月7日(火)7時50分

ニュースイッチ

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