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「パナマ文書」暴露も彼の影響!? スノーデン、告発前夜からその後の驚愕

dmenu映画 6月7日(火)18時0分配信

衝撃のスクープの真相を記録した歴史的ドキュメンタリー作品『シチズンフォー スノーデンの暴露』6月11日公開

世界(の富裕層?)を震撼させた「パナマ文書」、その匿名提供者が先ごろ声明文を出したようですね。匿名提供者はその声明文で銀行、金融規制当局、税務長局等の“エリートによる不正”を批判する一方、賞賛したのがアメリカ国家安全保証局(NSA)の驚くべき情報収集の手口を機密文書とともに暴露したエドワード・スノーデンです。思い出します、2013年6月の香港からのスクープ映像。内部告発しながら実名どころか堂々と姿を現した青年!

そのスノーデン事件の一部始終をリアルタイムに記録したドキュメンタリー映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』が公開されます。香港で密かに行われた独占インタビュー、スクープ記事の公表と反響、そしてスノーデンの脱出まで、一大センセーションを巻き起こした事件の真相がこのドキュメンタリーで明かされます。

アメリカ国家安全保証局(NSA)がどれほど本格的かつ広範囲にわたって個人の通信データを傍受・監視しているか。NSAに勤務していたスノーデンによるその内部告発に、我々は他国のことながら唖然としたわけです(本作では、アメリカ国外の通信もどれだけ傍受しているか世界地図で示されていて、改めて唖然とするのですが)。

9.11以降、米政府はテロ再発防止を口実にあまねく個人の監視をスタート、そのためのスタッフも設備もどんどん増えて現在に至っています。薄々感じてはいたものの、ここまでとは! 目の当たりにするだけでも迫力ありますが、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞してしまうだけあってこんなの序の口、驚きはまだまだ続きます。

ドキュメンタリー撮影を告発の一環にしてしまう スノーデンならではの戦略に唖然

驚きのひとつは、この作品が、スノーデンが暴露する6月初旬より前から撮影されていたこと。つまり、スノーデンと監督のやり取りはもっと前に始まっている。後追いのドキュメンタリーではなく、重大事件の成り行き、そのど真ん中にカメラが据えられているような異色の展開であることに我々は驚かされます。

スノーデンは「自分が知った事実を、どうすれば広く確実に世間に知らせることができるか」を慎重に考えて行動していました。彼の前にもNSA(あるいは別の諜報期間や部門)に属していた数人が、この国家権力の行き過ぎを告発してきましたが、情報漏えいの罪に問われたり、危害を加えられたりしたからです。このため、あらゆる妨害や危害を考慮し、映像と活字でありのままを記録してくれる辣腕ジャーナリストに助けを求めました。

約2時間にわたる本作。冒頭から約20分間は、もうひとり白羽の矢を当てられたジャーナリスト(グレン・グリーンウォルド)、スノーデンより前からデータ収集の不正を訴え続けてきた元NSAの研究員(ウィリアム・ビニー)などを紹介。彼らの背景を知ることで基礎知識を得た観客には、スノーデンの言葉が響きます。

「国家権力は、9.11テロを理由にますます監視を強めるが、これは国民の“反対する力”をつぶしていく」「このままでは、人々は監視されることを前提で振舞うようになり、知的探究心が制限されてしまう」……。国家権力は力技でもぎ取っていく情報を専門的な解析にかけ個人を監視し続けます。その事実だけでも恐怖ですが、彼は、これによって民主主義が脅かされることを何よりも危惧しています。誰のために? 自分のためでもあるけれど、あらゆるシチズン(市民)のために。安定した生活を捨てての決断を、「自己犠牲だとは思っていない。貢献です」と。

「マスコミの仕組みをよく知らないので……」とか言いながら、イラク戦争やグアンタナモを取材したドキュメンタリーが高く評価されているポイトラスをスノーデンは本作の監督に抜擢した。「自分(スノーデン)が表に出るかどうかはあなたたち(ポイトラス、グリーンウォルド)に任せますが、マスコミは人格にフォーカスしすぎる。論点をそらされるとすれば、それは心配です」などと、29歳のスノーデンは的確な推察をする。反逆者か愛国者かわからないという意見もありますが、本作をご覧になれば各自で判断できるはずです。

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最終更新:6月8日(水)13時0分

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