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鉄産懇・佐伯会長、マーケット好転材料「そろいつつある」

鉄鋼新聞 6月7日(火)6時0分配信

 鉄鋼産業懇談会の佐伯康光会長(新日鉄住金副社長)は6日、懇談会終了後に次の通り述べた。

――世界鉄鋼需給のポイントは。
 「世界供給の約半分を占める中国の動向がカギだ。1月、2月は月産6千万トン規模で日当たり200万トン程度だったが、3月、4月は月産7千万トン、日当たり約230万トンに増えた。これがどう収まるのか、を注視している」
――鋼材価格の動向について。
 「3月、4月と中国や東南アジアをはじめとする海外鋼材市況が上昇し、足元では国や地域によって、やや調整局面といえる市場もある。上昇した金額の半分くらい下落したが、今はホットコイルでいえばボトムから100ドルぐらい上昇したレベル。今の水準が、コスト的にはまあままのレベルではないか」
――国内需要は。
 「足元は個人消費が伸びておらず、鉄鋼需要は低調だ。ただ7~9月から下期にかけては需要が増加するとみている。自動車では、4月、5月に見られた(熊本地震によるサプライチェーン影響など)一過性のマイナス要因がなくなり、自動車メーカーが挽回生産する計画だ。円安基調定着を受けた国内生産回帰の動きも一部、入ってくる。通常、7~9月期よりも下期の方が自動車生産は増えるため、例年の季節パターンでいえば下期にかけて一段の増加が期待できる。一方、建設向けでも五輪関連需要は待ったなしの時期になるし、再開発物件もあって需要は上がってくる」
――在庫について。
 「4月の薄板3品在庫は2万トン減の408万トン。理想的には適正といわれる400万トンを切りたいが、低い需要水準の下では一定程度、在庫調整が進んできている。今後は需要の伸びが期待できるとはいえ、慎重にみていく必要がある」
――輸入鋼材は。
 「4月は減ったが、過去のトレンドからすると高い水準にある。特に中国材が増えており、よく見ていきたい」
――来年4月の消費税率引き上げが延期に。今年度下期の駆け込み需要は発生しません。
 「駆け込み需要が発生すれば、その後に反動があるので、期ごとの段差が小さくなって需要が平準化されることになる。心配なのは個人消費であり、秋には財政出動の話もあるが、個人消費を増やすためにどうもっていくかがポイント。全体として見れば、マーケット好転材料がそろいつつある。その流れを大事にしたい」

最終更新:6月7日(火)6時0分

鉄鋼新聞