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放射性廃棄物を10万年貯蔵、フィンランドに建設中の最終処分場

AFPBB News 6月7日(火)16時52分配信

(c)AFPBB News

【6月7日 AFP】フィンランドで、高レベル放射性廃棄物を半永久的に地中に埋める最終処分場の建設が進められている。

 世界で最も費用がかかり、使用期間も最長のこの処分場は、フィンランド西岸のオルキルオト(Olkiluoto)島に建設される。複数のトンネルで構成するこの施設の名前は「オンカロ(Onkalo)」。フィンランド語で、洞窟という意味だ。

 初期の原発が建設された1950年代から、各国は長年にわたって放射性廃棄物の処理に取り組んできた。ほとんどの国は廃棄物を地上の一時的な保管施設に貯蔵しているが、オンカロは永久に廃棄物を埋める、初の最終処分場だ。

 フィンランドは2020年から、5500トンの廃棄物を地下420メートル超に埋める方針だ。

 オルキルオトには、既に2基の原発がある。最終処分場の費用は、2120年代までに最大35億ユーロ(約4200億円)かかる見通しとなっている。

 昨年、オンカロ建設の承認を得たポシバ(Posiva)社のイスモ・アールトネン(Ismo Aaltonen)氏は、「この計画には、あらゆる新たなノウハウが求められた」と説明した。

 現時点で完成しているのは、曲がりくねった全長5キロのトンネルと、作業員の移動や換気などに使われる3つの立て坑。最終的には、全長42キロになる計画だ。

 内部は低温に保たれ、岩盤は極度に乾燥している。廃棄物を水分による腐食から保護するために、重要な条件だ。

■「安全性の問題」

 鉄の鋳造物で囲った使用済み核燃料棒を、分厚い銅の容器の中に封印した上で、トンネルに運び込む。この容器を、周囲の岩盤の揺れや、浸水を防ぐ働きをするベントナイト(bentonite)と呼ばれる粘土で覆う。最終的には、さらに多量のベントナイトや粘土の塊を使い、トンネルを埋める。

 この手法は、同様の計画が進んでいるスウェーデンで考案された。ポシバは、安全な技術だと主張するが、環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)などの原発反対派は、放射能漏れの可能性に懸念を示している。

■「10万年という期間」

 この計画には、回答が出せない問いがついてまわる。この小さな島が、10万年後にはどうなっているのか?そして、その時にそこに誰が住んでいるのか?時間をイメージするために例を挙げると、10万年前、フィンランドは部分的に氷河に覆われており、ホモ・サピエンス(Homo Sapiens)はアフリカ大陸から中東への移動を始めていた。

 地質学者は、再度氷河期が訪れる可能性は排除できないとしている。フィンランドは特に地震国というわけではない。しかしオンカロは、今後数千年で起こる可能性のある、気温低下を原因とした地質構造の変動にも、耐えられる設計でなければならない。

■「警告表示のない処分場?」

 処分場の外部からの保護という観点での最大の課題は、やじ馬的な見物客の侵入や廃棄物の盗難を完全に防ぐため、トンネルを埋め戻してふたをすることだ。

 このため、ポシバは処分場を外部からは分からないようにすることを検討している。ポシバのアールトネン氏によると、「処分場に警告の表示をつけるべきかについては、まだ議論中だ」という。

 しかし、こういった警告はしばしば逆効果になることは、歴史が示すところだ。古代エジプトでは、ファラオの墓を守るためにピラミッドに施された工夫は、無視されていた。4月28日撮影。(c)AFPBB News

最終更新:6月16日(木)11時59分

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