ここから本文です

[社説]困り果てた漁師たちが中国漁船の拿捕に出たのだ

ハンギョレ新聞 6月7日(火)11時55分配信

 仁川、延坪島(ヨンピョンド)の漁師たちが西海岸沖の北方限界線(NLL)付近で不法操業していた中国漁船2隻を直接拿捕した。韓国海上警察と海軍の取り締まりから逃れ、底引き網式でワタリガニを一網打尽にする中国漁船を見ながら地団駄踏んでいた漁師がついに行動に出たのだ。事態がここに至るまで政府当局はいったい何をしていたのか嘆かわしくなる。

 中国漁船の不法操業は年を追うごとに猛威を増してきている。北方限界線付近で海軍レーダーに探知された中国漁船は、2014年春の漁期に1万9150隻だったのが2015年には2万9640隻へ倍増した。今年の韓国のワタリガニの漁獲量は昨年の3分の1ほどに激減したという。漁師たちは「海軍と海上警察に中国漁船の不法操業問題を解決してほしいと数えきれない程要請してきたが効果はなかった。今後も政府が解決しなければ直接立ち向かうしかない」と話している。

 西海岸沖の5島の漁師たちは、2014年11月にも大青島(テチョンド)の近海で中国漁船の不法操業にともなう被害補償と再発防止を求め大規模な海上デモを行ったことがある。当時、政府当局はソウルの汝矣島(ヨイド)まで航路で上京デモをしようとした漁師をなんとかなだめ対策整備を約束した。しかしその後、何の実効性ある対策も用意されていなかったことが今回の事件で分かった。むしろセウォル号沈没の惨事の責任を問われ海上警察が解体された後、海上警察の取り締まり能力はさらに悪化したとまで指摘される。

 漁師が直接中国漁船の拿捕に出るのは実に危険である。今回は幸い中国漁船の船員が寝ていたのでよかったが、どんなトラブルが起きたか想像しただけでもそら恐ろしい。国民の生命と財産を守ることができない国家は存立する意義はないという点から、政府はしっかり目を覚ます必要がある。

 中国漁船の不法操業問題は西海岸沖での南北対峙の現状と緊密に関係している。取り締まり地域が南北間の尖鋭な軍事紛争地域であるため、韓国の海上警察・海軍が思い通りには取り締まりできない間隙をついて中国漁船は不法操業をしている。南北の緊張緩和と交流協力増大なしには解決方法を見い出だすのは容易でない状況だ。一時的な対症療法レベルを離れ、今回を機会に政府はもう少し根源的な解決策作りのために知恵を絞るよう願いたい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6月7日(火)11時55分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。