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スペース貸し出し好評 富山駅、新幹線開業機に一変

北日本新聞 6月7日(火)0時49分配信

■イベント多彩、初年度135件

 昨年3月の北陸新幹線の開業に伴い新しくなった富山駅が、イベント会場として活用され、新たなにぎわいを生んでいる。一般利用を認めていなかった旧駅の方針を転換し、新幹線改札口前のスペースを貸し出したところ、割安な料金と立地の良さが受け、1年で130件以上のイベントが開かれた。4月から南口駅前広場も使えるようになり、管理する富山市は「大勢の人が行き交う駅の特長を生かし、街の活気につなげたい」としている。(文化部次長・近江龍一郎)

 5月の週末、観光客で混み合う昼過ぎの富山駅構内。学生・社会人でつくる合唱団「クール・ファミーユ」のコンサートが始まると、人だかりができた。帰りの電車を待っていた岐阜県各務原(かかみがはら)市の70代女性は「懐かしい曲ばかりで聞き入ってしまった」と話した。クール・ファミーユの石野宏明代表(39)は「事前に宣伝をしなくても、たくさんの人が集まる。コンサート会場としては魅力的」と駅構内で開いた理由を語った。

 イベントスペースは改札口前850平方メートルと、ことし3月に工事が終わった南口駅前広場のうち、路面電車の軌道脇1280平方メートル。整備費の一部を負担した富山市が管轄し、希望者に貸し出している。利用料は1平方メートル当たり18~20円(1時間)と一等地としては低めに設定。コンサートで3時間、170平方メートルを借りれば税込みで1万1千円程度になるという。使用期限は1週間で、マイクや机、いすを無料でレンタルできる。

 旧駅を管理していたJR西日本は、イベントでの使用を認めず、屋外でのビラ配りを例外的に許可していただけだった。新駅の整備では、JRと富山市が協議。新幹線の開業で利用者の増加が見込まれることから、にぎわい空間として活用できるようにした。

 開業初年度は、土日・祝日を中心に135件のイベントが開かれた。コンサートや特産品の販売、高校生による書道パフォーマンスなど内容もさまざま。2年目も前年を上回るペースで利用が進んでいる。市富山駅周辺地区整備課の大島聡副主幹は「駅はPR系のイベントに向いている。新幹線沿線の都市に観光ブースを出展してもらうことも考えている」と意気込む。

 建築を中心にした地域計画設計論が専門の富山大芸術文化学部の上原雄史教授は「全国の地方都市が活性化に苦慮する中、富山駅のやり方は一つの突破口になる可能性を秘めている。駅を訪ねること自体が目的となる場所になってほしい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:6月7日(火)0時49分

北日本新聞