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浅野の涙の理由 ハリルJの底上げのカギを握る2人の若手

THE PAGE 6/8(水) 12:00配信

 代表初先発と代表初出場──。ふたりのニューフェイスが試合後、対象的な姿でピッチに立ち尽くしていた。
 21歳の浅野拓磨と24歳の小林祐希。浅野はあふれ出る涙をこらえることができず、チームメイトからかわるがわる慰められていた。一方、小林はチームメイトから少し離れたところでひとりぽつんと立ち、悔しさをにじませていた。

 ボスニア・ヘルツェゴビナとのキリンカップ決勝。清武弘嗣のゴールで日本が28分に先制し、その1分後に追いつかれ、66分に逆転を許したゲームは1-2のスコアで終盤を迎えた。
 遠藤航のフィードや清武のスルーパスからボスニア・ヘルツェゴビナゴールに迫っていた右ウイングの浅野に千載一遇のチャンスが訪れたのは、アディショナルタイムのことだった。

 清武のスルーパスで抜け出し、GKとの1対1を迎える。ハリルホジッチ監督も「決めなければならなかった」と指摘したこの絶好機で、浅野が選択したのは、シュートではなくパスだった。しかも、このパスはディフェンダーにクリアされ、シュートまで結びつかない。このシーンについて、浅野が振り返る。

「決定的なチャンスでパスを選択したことをすごく後悔しています。結果、入っていませんが、あれが入っていたとしても入っていなかったとしても、シュートで終わっておきたかったと思います。消極的な部分が出てしまった」

 この少し前、小林のパスから浅野はシュートまで持ち込んでいたが、相手ディフェンダーに防がれてしまう。ゴール前では金崎夢生がパスを待っていた。このシーンが頭によぎったという。
 試合後、涙を流すほど悔しがったのには理由がある。1月に行われたリオ五輪アジア最終予選でも、浅野は同じミスを犯していたのだ。

 イランとの準々決勝。3-0とリードして迎えた延長戦の終盤、これまでシュートを外していた浅野はGKと1対1になりながらパスを選択。このパスがズレ、このときもシュートまで繋がらなかった。
「まったく同じミスをしていると自分でも思いますし、あの経験が生かされていないなと思うので、『悔しい』のひと言です……」
   
 一方、小林は同点を狙っていた74分、宇佐美貴史と代わって左サイドハーフとして起用された。ところが、ピッチに入るとすぐ中央に寄っていき、「俺に寄越せ」と言わんばかりのジェスチャーでパスを要求した。
「監督の要求は『左サイドの裏』だったんですけど、攻撃が単調になっていたから、間で受けてワンクッション入れてから攻撃したほうが相手も引き出せるし、ダメージあるかなと思って、それは自分で考えてやりました。状況が状況だったので難しかったですけど、ボールにいっぱい触ろうと思って入りました」

 出場して4分後にはペナルティエリアの外から得意の左足で強引にミドルシュートを放つ。ときに逆サイドまで駆け寄っていき、デフェンスラインの裏を狙ってパスを繰り出した。
   

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最終更新:6/8(水) 14:51

THE PAGE

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