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第4次産業革命はブロックチェーンで無問題!

ReadWrite Japan 6月8日(水)22時30分配信

第1次産業革命により蒸気機関と工場がもたらされ、第2次では鉄道と電気が、第3次ではインターネットとコンピュータ、そして現代の便利な生活がもたらされた。これらの革命により効率のいい機械が生み出されたが、間もなくIIoTがもたらすであろうと予測されている第4次産業革命では、過去と同じことは起こらないだろうと考えられている。

第4次産業革命は、より性能の高いマシンというよりも、それを取り巻く情報が我々を介さずに行われるというやり取りのプロセスに起こり、この革命は我々とツールとの関係を根本的に変えるものとなるだろう。


■データ革命

第4次革命の主役となるのは石炭や鉄、シリコンではなく、データである。

工業IoT(IIoT)が生み出す情報量は、Twitterに投稿される一日のデータの4倍に相当し、我々はそのうちの1%も分析できていない。GE DigitalのCEOビル・ルー氏は、今日ある情報分析ツールはデータの氾濫についていけなくなるだろうと予測している。

「10年前に扱っていたデータ量は、毎日テラバイト単位だったかもしれないが、今では数万テラバイトにまでなっており、2020年までには約百万テラバイトになっているだろう」とルー氏は語る。

未来のマシンは米国議員図書館複数件分の蔵書に相当する情報を毎日生成することになる。毎日、同図書館の蔵書を読み、それを10ページにまとめて、周りの多くの人に伝えるという状況を想像してみるといい。そのようなタスクは、途方もないというより馬鹿馬鹿しくすらある。

2004年、YahooがWebからの情報に追いつけるようなスピードのあるマシンを確保できなかったことを思い出してほしい。今度の革命によって、何千億ものマシンは言うまでもなく、何億ものユーザからのデータとも対峙することになるのだ。

さて、第4次革命の真の問題は生成されるデータにあるのではなく、それを分析するマシンの性能と、得られた知見を伝達するためのネットワークをどうするか、そしてより効率的にプロセスを変更し、それを周りにどう伝達するかという点にある。

この流れを完ぺきにこなせるインテリジェントマシンが世界経済を大きく加熱させる。ルー氏およびGEは、向こう20年間でインテリジェントマシンとIIoTが生み出す価値が10~15兆ドルに上ると考えている。2015年の全世界のGDPが75兆ドルだったことを考えれば、これは非常に大きな増加だ。

https://youtu.be/A1Vbrxkqjwc
(New Kids on the Blockchain | Lorne Lantz | TEDxHamburgSalon)


■この革命を支えるもの

次の産業革命においては、二つのものが中心的な役目を担うことになる。それは、GEのPredixのようなIIoTに特有のコミュニケーションネットワークと、不正なコミュニケーションを抑制することでコマースを促進させる組織的かつ分権的なプロセスである。

IIoTコミュニケーションネットワークは、スマートマシンのマシン間および人とのコミュニケーションハブとして機能する必要がある。マシンに取り付けられたセンサーから大量のデータが集められ、それがリアルタイムでふるいにかけられる。この様なことはマシン間で行われると考えられるが、人の手を介さずに、得られた知見を伝達したり何かの決定を行える真にインテリジェントなネットワークを形成するために、単一のコミュニケーションネットワークが必要となる。

次のようなことを想像してほしい。飛行機が空を飛んでるときに、エンジンに取り付けられたセンサーがもうじき壊れそうな部分を検知したとする。すると、目的地の空港にメンテナンスが必要な旨を連絡し、到着する前に交換する部品を発注するというケースだ。

機械がこういったことを行うケースは、すでにフィクションではなくノンフィクションになろうとしている。同社のCEOは、米国の重要なインフラを守るためエネルギー省と仕事を進めている。個人的な考えをいうと、IIoT情報ネットワークについて語るだけでは不十分だ。結局のところ、コマースが重要なのである。多くの自動運転車が公道を走る日もやがてはやって来るのだ。

これらの自動運転車は、単一システムの上で動いている。だが、これらの自動運転車がルールを守り、正しく動作するということをどう保障すればいいのだろうか?

たとえば事故の際、車が正しい現在地を送信するということをどう保証すればいいだろうか? 当事者が二人いて、それぞれが車の位置について異なる主張をしたとしても、どちらが正しいかを確かめる方法がない。
では、このようなシチュエーションにおいてGPSはどう役立つだろうか? GPSはそれぞれの車に接続されており、情報は公平なものだ。食い違った位置情報が送られてきても、どちらが正しい情報かは簡単に確認できるだろう。

GPSの性質を考えれば、事故の際に(おそらくは車の持ち主によって)ゆがめられた位置情報が送られることは無いはずだ。自動運転車が普及するためには、こういった誠実さへの保証が重要であり、オーナーが安心して車にお金を出すためにも必要である。

GPS技術が自動運転車のネットワークに及ぼす影響はこのようなものになるが、ブロックチェーンはIIoT全体に対して同じような影響を持つ。たしかに、自動運転車はGPSを使わなくても路上を走れるが、それは許されることではないだろう。同じく大規模なコマースを考えるうえで、IIoT特有のネットワークを構成する多くのマシンが、ウソ偽りないことを証明できないような形で運用されるということも許されないはずだ。


■すでに様々な革命を起こしているブロックチェーン

ブロックチェーンはすでに金融業界の取引で利用されている。情報は現金のように固有の資産であり、ブロックチェーンはこれらの存在、および、やり取りの記録を付けることができる。ブロックチェーンとは本質的にものの記録、あるいはデジタルイベントが記された台帳である。

ブロックチェーンは、データを分散しネットワーク上で異なる当事者間で共有する技術だ。そして、当事者の多数決によってのみ更新することができる。一度情報が入力されたら二度と削除されることはない。つまり、機械やデータに対して物理的に誰かが不正することを防ぐことはできないが、誰でもその共有されたデータを見ることができるため、たとえ改ざんされたとしても事実改ざんされる心配はないのだ。

そして、ブロックチェーンは産業革命がもたらすコマースに必要不可欠だと考える。フォルクスワーゲンの最近の排気量の不祥事について思い出してほしい。エンジンの試験であまりに多くの窒素酸化物が排出されたため、フォルクスワーゲンはディフィートデバイスを使うことを選んだ。しかし、もしこのデータが作成され、ブロックチェーンシステムを通じて共有されていれば、フォルクスワーゲンが不正を行うこともなかっただろう。なぜなら、2つのデータに乖離があることが他者に明らかになるからだ。

このように、IIoTがもたらす利益は明らかなものであり、実際に我々はM2M技術をも開発した。これらの規格化への挑戦の数々は、過去30年にわたるデータベース技術の進化をもたらし、そして、ついに革命の瞬間を迎えようとしているのだ。

我々のビジネスやその目的は様々だが、誰もが第4次産業革命がもたらす効率性の向上の恩恵に預かるためには、Machine-to-Machine(M2M)コマースのモデルを1つに絞らなければならない。また、協力的な参加者なしに成り立つコミュニケーションネットワークは存在しえないため、ブロックチェーンのシステムへの統合は必須だ。活発な情報交換のための細やかな配慮だけでなく、データが継続的に修正する必要のある環境においては、ブロックチェーンが新たな産業革命期を迎えるための最高の水先案内人となる。

本文の著者はサンフランシスコに拠点を置くコンサルティング企業New ContextのCEOである。

ReadWrite Japan編集部

最終更新:6月8日(水)22時30分

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