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霊の物理攻撃に気を付けろ!?『貞子vs伽椰子』試写レポート

dmenu映画 6月8日(水)21時0分配信

正直に言って“Jホラー”という言葉があまり好きではありません。いちホラー映画好きとして、やはり『リング』や『呪怨』は当然チェックしており、しばらく夢に見るほど怖かった。ただ最近の国内ホラー作品のなかに、「Jホラーはすごい」という評価にあぐらをかいているんじゃないかと疑いたくなるようなものがあるのもまた事実……。とにかく霊を見せるのをチラチラチラチラもったいぶっておけばいいと思っている作品、ありませんか? それでもいまだに「海外ホラーはビックリ系。Jホラーが一番怖い」と訳知り顔で言う人々は多く、そのたびに歯がゆい気持ちになるのでした。海外ホラーはただ驚かせるだけとか、そんな時代とっくに終わっているから! あっちはもうそこから何歩も先に進んでいるよ!

鬼才・白石晃士がホラーの金字塔を蘇らせる

そんななか、6月18日に全国公開される『貞子vs伽椰子』(制作・配給:KADOKAWA)です。山本美月、玉城ティナの美女ふたりの共演も気になりますが、なんといっても監督が白石晃士。フェイクドキュメンタリー形式のホラーで知られ、近年の『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズでは、あくまで“ドキュメンタリー”という体をとりながら、ワンカット風の映像で異世界に飛んだり、時空を超えたりと挑戦的な演出を次々と繰り出しています。今国内ホラーでもっとも尖ったことをしている監督が、Jホラーの金字塔『リング』の貞子と『呪怨』の伽椰子の対決を撮る。これが事件と言わずしてなんでしょうか。

怨霊たちはパワータイプ

試写で鑑賞し終えて、皆さんにハッキリお伝えします。霊は物理攻撃をしてきます。とくに伽椰子と俊雄の母子はフィジカルに訴えてくること著しく、物陰から近づいては押入れなどに引きずりこむこと火のごとし。公式サイトでは呪力特化タイプのように紹介されている貞子も、呪いを使ってやることといえば、怨念パワーによって人間を操り、そして……というもので、なんにせよフィジカルです。

チラ見せなんてセコイことはせず、霊はガンガン姿を現し、そしてガンガン人を殺していきます。ただそれゆえに作品に漂う緊張感はハイ。どこから何が出てきて次に誰が死ぬかわからず、「後ろに何かいるっぽい」と感じたときはちゃんと後ろに何かがいるのです。出てきたと思ったらすぐ消える、「チラッ(しかし殺す)」というヒットアンドアウェイ戦法は、幽霊×モンスターのハイブリッドの恐怖と言えるかもしれません。注意していないと気づかないような感じで背後にさりげなく霊が映り込んでいるのなんかは、かつての投稿映像系ホラーを思い出して、白石監督っぽいなぁとニヤリとしたり。Jホラーとはものすごく大ざっぱに言えば、「何かがいるかもしれない」という気配で怖がらせる作品のことを指すのだろうと考えているのですが、気配の恐怖と物理的な暴力がここまでスムーズに地続きになっているのは、さすが暴力描写にも定評がある白石監督です。

再び動き出すJホラー

霊は確実に近くにいるというお化け屋敷的な緊張感が続き、ついにクライマックス、貞子と伽椰子が直接対決するシーンです。一体どちらが勝つのか……というところは、もちろん映画を見てのお楽しみ。ただ物語のテンションがどんどん高まり、最後はもうただ呆然とするしかないジェットコースター的な展開は、鑑賞後に「とにかく新しいものを見た」という心地よい疲労感を与えてくれます。スタッフロールの「監督・脚本 白石晃士」というクレジットを見て、私は感動のあまりむせび泣きました。Jホラーがまた始まった。Jホラーの2大スターによって、新たな時代の扉がまた開かれた。ここがホラーのど真ん中だ!

(文/原田イチボ@HEW)

最終更新:6月8日(水)21時0分

dmenu映画

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。