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用水ピンチ 少雨いつまで・・・ 東北南部~中国

日本農業新聞 6/8(水) 12:30配信

 東北南部から関東甲信、中国にかけて平年より雨が少ない状況が続いている。湧き水に頼る新潟県長岡市栃尾地域の棚田では、今冬の雪不足に加え少雨が続き、田植えができない状況だ。苗を植えても、田んぼに水がなく、ひび割れも始まっている。少雨で野菜の生育も伸び悩み、収量が減る恐れも出ている。地元農家は「このまま夏になったら、どうなるのだろう」と不安を募らせる。

田植えできず 苗老化 長岡市栃尾地域

 名水の里として知られる同市西中野俣の(有)杜々(とど)は、森からの湧き水で「コシヒカリ」を栽培している。同社は、社員3人が地域の棚田を守ろうと14ヘクタールで水稲を生産し、餅や赤飯の加工にも取り組んでいる。

 だが、今年は地域農業を支える米がピンチだ。異常気象をもたらすエルニーニョ現象の影響で、今冬の栃尾地区は異例の雪不足に見舞われた。同地区は積雪量が3メートルを超える豪雪地帯だが、今冬は1メートルしかなかった。例年はシーズン中、8回に達する雪下ろしも、今冬は2回だけ。

 雪解けも早く、農作業は10日ほど前倒しとなり、田植えは5月6日に始まった。だが雪不足に加えて中旬からは少雨が続き、下旬になると水路に水がなくなった。

 6月に入ってからは、ため池の水をポンプでくみ上げて代かきをし、なんとか12・5ヘクタールで田植えを済ませた。現在、ため池の水はわずかしか残っておらず、苗の老化も進む。それだけに取締役の林喜一さん(61)は「20日までには、残りの1・5ヘクタールで田植えを終わらせたい。いったん乾いた田んぼには、なかなか水がたまらない。今は降雨を祈るばかりだ」と天を仰ぐ。

除草剤まけぬ 野菜生育遅れ 富山、群馬

 少雨の影響は各地に広がる。富山市の井田川水系土地改良区では、除草剤を散布するために水が必要な時期に差し掛かっている。稲作農家で同改良区理事長の若林博之さん(68)は「とにかく水がなくて本当に弱っている。川の水を一滴でもくみ上げようとしているが、目に見えて水が少ない」と途方に暮れる。ここ1カ月、平年の3割しか雨が降っておらず「除草剤がまけない」と困り果てる。

 群馬でも同様だ。露地ナスの主力産地、JA前橋市では「ここ1カ月まとまった雨が降っておらず生育が緩慢になっている。今月から収穫が始まったが、出足が鈍い」と困惑気味。高原野菜産地のJA利根沼田も「干ばつ気味でレタスやキャベツなど露地野菜の生育に影響が出そう。結球する段階で水分が足りず大きく育たない」と心配する。

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最終更新:6/8(水) 12:30

日本農業新聞