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【動画解説】元気象庁予報官・饒村曜氏に聞く いまだ発生せず 今年の台風

ウェザーマップ 6月8日(水)19時16分配信

ウェザーマップ

 台風の統計をとりはじめた1951年(昭和26年)以降、6月に入っても台風1号の発生がなかった年は過去に5回あります。なぜ発生が遅いのか、エルニーニョ現象との関連から解説します。

 1951年(昭和26年)以降の65年間で、6月に入っても台風の発生がなかったのは今年で6例目です。なぜ台風の発生が遅いかというと、これは、今年が大きなエルニーニョ現象が終わった年であるからです。

  2014年から「ゴジラ・エルニーニョ」というようなあだ名がつくほど強力なエルニーニョ現象が発生していましたが、今、終わりつつあります。これが今年の状況です。

エルニーニョ現象とは

 エルニーニョ現象とは、南米沖の海面水温が平年より高くなる現象です。これに伴って太平洋高気圧の位置が東に移動し、日本ではあまり暑い夏にはならないというのがエルニーニョ現象です。

 エルニーニョ現象が終わる時にどういうことが起きるかというと、インド洋で対流が活発になります。このため、例年であれば台風がよく発生するフィリピンの東海上では雲がほとんど発達しなくなります。

 台風の卵である積乱雲があまり発達しない(台風が発生しない)というのがエルニーニョ現象の終わった時期の特徴です。

20世紀のエルニーニョ現象とラニーニャ現象

 これが20世紀のエルニーニョ現象とラニーニャ現象が起こった時期をあらわしたグラフです(注)。ご覧の通り、20世紀の後半、非常に大きなエルニーニョ現象が3回おきています。
 実は、この大きなエルニーニョ現象の終わりかかった年は、いずれも台風1号の発生が遅くなっています。表での1位、2位、3位が、それに相当しています。

 ただ、台風の発生が遅い年といっても、上陸数はそれほど減っていません。台風1号の発生が遅いからといって、台風災害がなかったわけではありません。

 これからも台風の発生に注意し、動向に警戒が必要です。(気象予報士・饒村曜)

(注)ペルー沖のエルニーニョ監視海域で、平年より海面水温が高いときを赤、低い時を青で表示していますので、赤が大きい時はエルニーニョ現象、青が大きい時はラニーニャ現象ということになります。

最終更新:6月9日(木)7時57分

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