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「いい時期に負けた」…ベンチから見守った本田、敗戦の意味を語る

SOCCER KING 6月8日(水)12時2分配信

「収穫は負けたこと」

 ベンチから試合を見守ったFW本田圭佑(ミラン)は、キッパリとこう言いきった。

 5月29日の海外組トレーニングで左ひざ裏に違和感を覚え、本田がキリンカップサッカー2016の2試合で出場機会を得ることはなかった。7日のボスニア・ヘルツェゴヴィナ戦後にはケガの状態について、「大したことはない。ただ、筋肉系のケガは気持ちが大丈夫でも、様子を見ないと悪化してしまう可能性がある」と大事を取っての欠場であることを強調し、ポジティブな考え方を明らかにした。

「試合をできないのは悔しいけれど、そのたびに学びはある。自分自身がすべきこと、チームとして必要なものを考えたりする。いつも以上に視野を広く持って試合観戦できた」と冷静な視点でベンチからブルガリア戦、ボスニア戦を見守った本田。では、昨年3月のヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任からチームの中心選手としてプレーしてきた彼は、自身のいない日本代表チームをどのように見たのだろうか。

 大会前には「僕が入るか入らないかでそんなに(内容が)左右しているようじゃ、2年後の(ロシア)ワールドカップでも結果は残せない。むしろ『こっちのほうがいい』というものが見られないと。正直、オプションの数はちょっと少なすぎる。そういう期待を込めて外から見たい」と話していたが、ボスニア戦後には敗戦を踏まえてポジティブな意向を示している。

「(今日の)収穫は負けたこと。負けた時は面白くないし、批判が待っている。選手もファンも犯人探しやったり、基本的にネガティブなことを言うのが、サッカーの世界。でも、僕は非常にいい時期に負けたと思っています。若手も何人か試せたし、それも一つ大きな収穫だったのかなと」

 見えていなかった課題が露見したことをポジティブと捉えているのだろうか。報道陣から「これで膿が出たのか?」と問われた本田は、こう私見を口にする。

「そういう捉え方もできるかもしれない。そこは選手自身が一番分かっていると思うし、そのへんは僕がぶったぎるより、みんなが自分たちで反省して次に向かうことができればいいのかなと。今までの代表は同じメンバーがずっと(試合に)出ていたから、2日間くらいの調整でもある程度のサッカーができた。でも、今日は結構メンバーを変えているからね。正直、今回のボスニア戦はみんな勝てると思っていたと思うんですよ。僕も思っていたし。ただ、やっぱりサッカーはそんな甘くない。ブルガリア戦のスコアが邪魔をしたとか、いろいろなことが試合中の空気につながって、紙一重で勝敗を分けると僕は思っているんで。サッカー以外のところで言えば、精神的な油断が今日の敗戦を招いたんじゃないかな」

 最終予選スタートまで残り3カ月。選手個々にさらなる成長が求められることになる。大勝したイメージのまま時間を過ごすのか、それともボスニア相手に通用しなかったという結果を胸に研鑽を積むのか。本田はチームが成長していくために必要な試合結果について「断然、ボスニア戦でしょ」とし、「負けると危機感が生まれるし、それで選手たちは追い込まれて次に向かえると思ってますから」とチームの未来を見据えた。

 6月13日に30歳を迎える本田にとって、今回のボスニア戦が20代ラストマッチ。年齢について聞かれて濃密なサッカー人生が脳裏によぎったのか、「びっくりしますね、時の早さに。人生一回ですからね、悔いのないように生きないと」と彼らしい表現で締めくくった。

文=岩本義弘

SOCCER KING

最終更新:6月8日(水)12時9分

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