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どうなる日産VS韓国。処分取り消しへ行政訴訟も

ニュースイッチ 6月9日(木)7時38分配信

排ガスの不正操作問題で対立。業績への影響は軽微もブランド毀損は許さない

 韓国当局と日産自動車の対立が深まっている。韓国環境省が日産のスポーツ多目的車(SUV)「キャシュカイ」で排ガスを不正操作したと判断した問題を巡って、日産に対してリコールや課徴金の支払いを命じた。日産は命令に応じる一方で、不正を全面否定する姿勢を崩しておらず、当局を相手に行政訴訟を視野に入れている。

 事の発端は昨秋発覚した独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題。韓国環境省が他メーカーの車両も調査したところ、日産の該当車約800台で排ガスを不正に操作しているとの報告を5月に発表。窒素酸化物(NOX)の排出を低減する装置「排ガス再循環装置(EGR)」が吸気温度35度C以上で停止するよう設定されており、違法だとした。

 これに対し、日産は「欧州の排ガス規制『ユーロ6』に適合しており、韓国の規制ではユーロ6に適合した車両の輸入と販売を許可している」と韓国環境省の主張に反発。35度C以上で装置が停止する設定をしていたことを認めた上で、「それはエンジンを保護するのが目的で当局から許可を得ている」と主張してきた。

 だが主張は受け入れられず、韓国環境省は今月7日、3億4000万ウォン(約3100万円)の課徴金を課し、リコールと販売停止を命じた。輸入・販売した韓国日産と社長を大気環境保全法違反でソウル中央地検に刑事告発した。日産はひとまず対象車両の販売を停止し、リコールと課徴金の支払いに応じる方針だ。対象車種は英国で生産しており欧州でも販売している。日産幹部は「技術的な改良は可能だ」として今後生産する対象車種ではEGRが停止する温度を上げる方針だ。

 だが「(VW問題と違って)不正はしていない」(日産幹部)との姿勢は変えておらず、韓国環境省を相手に行政訴訟を検討しており、処分の取り消しを求める考えだ。日産の15年度の韓国販売は5700台と、世界販売のわずか0・1%にすぎない。業績への影響は軽微とみられるが、不正のレッテルを貼られればブランドに傷が付きかねない。徹底抗戦を辞さない構えだ。

日刊工業新聞・第一産業部 池田勝敏

最終更新:6月9日(木)7時38分

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