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全国2位の佐賀タマネギを記録的不作にした「あの病」

qBiz 西日本新聞経済電子版 6月9日(木)10時55分配信

前年の2-3割減少か

 佐賀県産のタマネギが記録的不作に見舞われている。生育不良を招く病気「べと病」のまん延や今年前半の日照不足などが原因とみられ、特に生産が盛んな白石町や江北町、大町町などで葉枯れが目立つ。JAさがによると、総収量は不作だった前年よりも「さらに2~3割落ち込む恐れがある」といい、全国2位の出荷量を支える生産者は苦悩の色を深めている。

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 「こんなひどい状況は初めて」。江北町八町の農家大串勲さん(37)は自宅近くの約3ヘクタールの畑で、べと病で葉が枯れて茶色に変色したタマネギを手に声を落とす。畑一杯に緑の葉が覆ういつもの風景は一変した。

 カビが繁殖するべと病は気温15度前後の多湿時に発生しやすい。今年は4月から白石町や佐賀市などで多発し、県が初めて「病害虫発生予察警報」を出す事態となった。昨年12月~今年5月の気温が高めで長雨も重なったことから病気が広がった。日照量も足りず、生育不全に拍車をかけたという。

 大串さんは、豊作時で200トン近くを収穫してきたが「今年は3割ほど落ち込む」と覚悟している。玉の大きさも小ぶりで、平年の収量の4割ほどを占めるL玉(直径80~95ミリ)は1割ほどしかなく、大半が小さなM、Sサイズだ。

 周囲には「採算が合わない」と収穫せず、機械で粉々にして土と混ぜる「すき込み」で処理する農家も多い。大串さんは「昨年も不作だった。生活は厳しくなる」と不安げだ。

 JAさがによると、県内のタマネギの収穫量と出荷額は、13年8万1790トン(57億4200万円)▽14年6万9352トン(77億1千万円)▽15年5万8899トン(69億8200万円)-で推移。過去3年、出荷額に上下はあるが、収量は減少している。

 JAさが園芸指導課は「全国的にも今年は不作。県内の収穫量も既に昨年の2割減で、かなり厳しい状況だ」とみている。

 県は5月下旬、来年以降の対策を考えるため、生産者やJAを交えた「県べと病対策会議」を設置した。病原菌を減らす土壌改良などを検討している。

西日本新聞社

最終更新:6月9日(木)12時22分

qBiz 西日本新聞経済電子版