ここから本文です

大宮、鈴木社長退任へ…11年間に感謝 ブーイングもクラブ再建尽力

埼玉新聞 6月9日(木)6時40分配信

 大宮の鈴木茂社長が30日付で退任することが8日、発表された。2010年10月、クラブが観客数水増し問題で揺れる中で社長に就任。7年目でクラブを去ることになり、鈴木社長は「やり尽くした満足感がある。クラブの歴史に携われて、ありがとうと言う気持ち」と振り返った。

 鈴木社長は約11年間、クラブのために尽力してきた。J2の1999年8月~2004年6月まで事業部長を務め、一時はクラブを離れたが10年に現職に。水増し問題で辞任した渡辺誠吾前社長の後を受けて、鈴木社長はクリーンなクラブ運営を目指してきた。

 11年には新たなクラブ理念とビジョンを制定し、試合だけでなく、スポーツを通じた活動での地域貢献にまい進してきた。13年には埼玉県さいたま市西区にクラブハウスと練習場が完成。「選手がより一層プレーに集中できるように」と環境を整えた。

 歴代社長で、サポーターからブーイングを最も浴びた。チームは毎年のように残留争いに絡んだ。13年には21戦連続負けなしのJ1記録を達成し、一時は首位に立ったものの、その後ベルデニック監督(当時)解任の騒動から下位に転落した。14年にはついにJ2降格の憂き目に遭った。批判にさらされる中、鈴木社長はクラブに残って再建することで責任を果たすことを選択した。

 昨年、J2優勝を果たし1年でJ1復帰。今季はJ1第1ステージ4位につけ、ナビスコ杯は11年ぶりに1次リーグを突破した。好調な成績を見せる中、NTTの人事に絡んだものとはいえ、シーズン途中での社長交代は大宮では異例。

 それでも鈴木社長は晴れ晴れとしている。これまでを思い起こし「山あり谷ありだった」と感慨深げ。J2優勝を決めた昨季のホーム最終戦の大分戦での劇的逆転勝ちを例に挙げ、「あのような感動は、なかなか味わえるものではない。Jリーグに感謝している」としみじみ語った。

 今後の身の振り方は決まっていないが、「マッチコミッショナーで全国を回りたい」と青写真を描く。J2、J3のチームには、苦しい状況のところもあり、「経験を伝えられればいい」と話す。後任の森正志氏はサッカー未経験。「理念、ビジョンを継続していってほしい」と思いを託した。

最終更新:6月9日(木)6時40分

埼玉新聞