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これが作り手の狙った映像です。 LGの有機EL TVとNETFLIXで、ドルビービジョンの実力を確認

Stereo Sound ONLINE 6月9日(木)23時40分配信

デモ映像ではなく、配信中のコンテンツで確認

 LGとドルビージャパンは本日、ドルビービジョンに関する技術説明会を開催した。ドルビービジョンはHDR(ハイ・ダイナミックレンジ)を実現するソリューションのひとつで、劇場から配信、パッケージメディアまでの一貫したエコシステムを提案している方式となる。

 まず、ドルビージャパン株式会社 代表取締役社長の大沢幸弘氏が登壇し、今回の説明会の狙いを紹介してくれた。

 「皆さんは日本で初めてドルビービジョンを体験する数百人のひとりです。ネットフリックスさんが5月からドルビービジョンをスタートし、LGさんからも対応テレビが発売されました。デモンストレーションではなく、実際のサービスを体験できる環境が整ったのです。今日はそれをライブで体験していただき、放送とネットの差が縮まっていることも確認していただけると思います」

 続いて同社 事業開発部の真野克己氏による、ドルビービジョンについての技術的な解説がスタートした。

 真野さんによると、HDRというと明るいシーンがもっと力強くなるといった話になりがちだが、実はそうではないという。たとえば洞窟越しに明るい屋外を写した映像で、これまでは洞窟の岩壁の情報はつぶれ、その先の陽光が降りそそぐ風景は白飛びになっていた。しかしHDRなら岩壁もきちんと見えて、かつ外の風景もきちんと再現できる、それがHDRの恩恵というわけだ。

 また映画を含めた映像文化は、これまで解像度やフレームレートはどんどん進化してきていたが、コントラスト(輝度再現)については取り残されていた。だがドルビービジョンでそこも解決できたという。

ドルビービジョンとHDR10の違いはどこ

 具体的には、自然界は暗黒から太陽光(16億nitsといわれる)までひじょうに広いレンジをもっており、これまではそれを一定の規格(ハイビジョンの場合0.117~100nits/BT.709/8ビットなど)の中に押し込めて再現していたわけだ。

 それを解決する手段としてHDRが登場しているが、ドルビービジョンはその先駆けともいっていい提案であり、ドルビービジョンが契機となってUltra HD Blu-ray等で採用されているHDR10が誕生してきたという一面もある。

 ではドルビービジョンとHDR10の違いはどこにあるのだろうか?

 実はドルビービジョンはUltra HD Blu-rayではオプションで、ベースレイヤー=HDR10の情報にエンハンスメントレイヤーの情報を加えることで12ビット階調も再現できるようになっている。そのためUltra HD Blu-rayプレーヤーやディスプレイが対応機器でないとドルビービジョンの魅力は楽しめないわけだ。

 ただし先述したように「ネットフリックス」では既にドルビービジョン対応素材の配信を始めており、対応テレビを使っていれば自動的にドルビービジョンのコンテンツが表示される。国内では「ひかりTV 4K」「amazon video」でもドルビービジョンの採用を発表しているので、今後コンテンツは着実に増えていくだろう。

 真野氏によると、ネットフリックスでは「火花」を4K&ドルビービジョンで準備しており、この夏頃には配信が始まる見込みだという。さらにワーナーやMGMといったハリウッドスタジオも劇場公開作でドルビービジョンの採用を進めているので、それらのマスターが配信やUltra HD Blu-rayに使われるのではないかとの話だった。

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最終更新:6月10日(金)13時59分

Stereo Sound ONLINE