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運転手と乗客の一期一会のドラマ ハリウッドが熱視線を注ぐ“Uber”の魅力とは?

dmenu映画 6月9日(木)19時0分配信

ここ数年、米都市部を中心に勢いを伸ばしている「Uber」や「Lyft」といった配車サービス。ビジネス面では、トヨタをはじめとする大手自動車メーカーや、Appleなどのテクノロジー企業が出資に乗り出したことで注目されているが、ショービズ界でも、配車サービスによって生まれるドラマが主役のハリウッド映画企画が複数進行している。そこには、「様々な事情を抱えた人々の一期一会の出会い」が詰まっているからだ。

配車サービスの基本的な流れはこうだ。まず運転手側は、一定の水準を満たせば、誰でも私用車を使って、契約ドライバーになることができる。利用者側は、GPS機能付きのスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、行き先指定や希望の車種レベルなどのリクエストをするだけで、最寄りの契約ドライバーに拾ってもらうことができる。つまり、各々の目的や事情で、たまたま近くにいた人同士の運命的なマッチングが起きるのだ。

そして、決済は事前に登録したクレジットカードで行われるため、現金トラブルやカード情報漏えいのリスクもなく、ドライバーと乗客のやりとりはアプリ上で行われ、互いの電話番号やメールアドレスなどの情報も守られる。つまり、後から連絡を取り合うこともできないため(名刺交換でもしなければ)、共有する時間は一期一会のものなのだ。

ドラマもハプニングも演出しやすい、こんなネタの宝庫をハリウッドが放っておくわけがなく、これまでに少なくとも2本の“Uber映画”企画が発表されている。米ユニバーサル・ピクチャーズの企画は、人気コメディ俳優、ウィル・フェレル扮するUberドライバーが半狂乱の脱獄囚の乗客に振り回されるというもの。米20世紀フォックスは、危険な任務を遂行中の老練警官を乗せたUberドライバーの一晩の悪夢を描く映画を企画進行中だ。ちなみに、両スタジオとも、互いの企画は寝耳に水だったとのこと。そうであれば、ほかにも様々な配車サービスの企画が動いていてもおかしくない。

私自身もこれまでに10数回はUberを利用したことがあるが、それぞれのドライバーにつき、短編エッセイが1本かけるのではと思うぐらい、印象的な出会いに恵まれている。味わい深いベレー帽をかぶったアフリカ系アメリカ人のおじいちゃんドライバーが、実はNFLの元審判だったり、スーツで決めたヒスパニック系の中年男性ドライバーが、母親と一緒にUberで生計を立てていると教えてくれたり、20代後半のミュージシャン風のドライバーが、3歳の子どもを寝かしつけてから朝4時までが稼ぎ時だと明かしてくれたり。イラクからの移民だという50代の男性ドライバーは、副職として夜中にUberで働く理由を「若い命を救うため(飲酒運転を減らすから)」と話す。ロサンゼルスだけに、乗客を届けた先がセレブの家だったということも多々あるとか。このドライバーたちが教えてくれる、印象的な乗客の話も、とてつもなく興味深いのだ。配車サービスが織りなすドラマに、乞うご期待!

ロサンゼルス在住ライター 町田雪/Avanti Press

最終更新:6月9日(木)19時0分

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