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保守王国福井、自民の強さ圧倒的 参院選の歴史を振り返る

福井新聞ONLINE 6月9日(木)17時21分配信

 福井県を全県1区とする参院選の福井選挙区は、自民党が1955年に結党して以来、同党候補が過去20回の選挙で18勝2敗と圧倒しており、保守王国福井を確固たるものにしている。一方、半世紀にわたり候補者を出し続けてきた共産党は、今回初めて独自擁立を取りやめ野党統一候補を支援する。22日に公示される選挙戦で自民党候補が牙城を守るか、非自民勢力が27年ぶりに“金星”を挙げるか。歴史的にも興味深い戦いとなりそうだ。

 任期6年で3年ごとに半数を改選する参院選で、福井選挙区(旧地方区)は改選1人区として長年1枠の議席を争ってきた。

 福井選挙区の歴史の中で、自民党の代表的な存在といえるのが、科学技術庁長官や原子力委員会委員長などを歴任した熊谷太三郎氏。62年の選挙で初当選し5期30年務めた。86年の選挙では30万票余りを集め、得票数の最高記録となっている。

 自民党候補が敗れたのは71年と89年。71年は佐藤栄作内閣の農政などへの批判で全国的に反自民の風が吹き、元経済企画庁長官で現職の高橋衛氏が約2200票差で社会党新人の辻一彦氏に敗北。辻氏は衆参通算6期を務めた。

 89年は消費税3%導入の直後に行われた選挙。消費税反対の世論などを受け、元郵政相で党参院議員会長の山内一郎氏が連合の会新人の古川太三郎氏に敗れた。全国的にも自民党が歴史的な惨敗を喫し、宇野宗佑内閣は退陣に追い込まれた。

 近年で接戦となったのは2007年の選挙。自民党現職の松村龍二氏が民主党新人の若泉征三氏を3千票弱の差で振り切り3選を果たしたが、全国的には民主党が躍進し、09年の政権交代につながった。

 これら3回は自民党が全国的に大きな批判を浴びた中での選挙。18勝2敗の戦績をみれば、少々の逆風では保守王国福井の地盤は揺るがない。自民党のベテラン県議は「衆院選だと自民の候補者同士が戦う場合があったが、参院選はない。公認候補になるまでの争いはあるが、一本化すれば強みを発揮する」と分析する。

 社民党県連合の関係者は、1人区の影響が大きいと指摘する。衆院選の中選挙区時代は福井県の4議席のうち1~2枠を非自民勢力が獲得してきた歴史を挙げ「県内で反自民や革新層は一定数いるが、1人区で集約されると結局保守層が多いから自民が勝ってしまう」と話す。

 今回の参院選で過去の流れと一変するのが、野党統一候補の誕生だ。これまで非自民勢力は毎回2~3候補が出馬していたが、共産党が「史上初」(党県委員会)となる独自擁立を取りやめ一本化に合意した。「野党共闘に市民の力が加わり、勝機はある」と党県委の関係者。保守王国にくさびを打ち込む歴史的な転換点となることを思い描く。

 福井選挙区は、自民党現職で5選を目指す参院議長の山崎正昭氏(74)、野党統一候補として民進、共産、社民党などが推薦する連合福井事務局長の横山龍寛氏(51)、幸福実現党の白川康之氏(59)の3人が立候補する予定。

福井新聞社

最終更新:6月9日(木)17時21分

福井新聞ONLINE